週4日勤務を成功させる4つのポイント
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サマリー:週4日勤務を試験的に導入する企業が増え始めている。すでに行われている企業の成果によると、この働き方は生産性もウェルビーイングも高めることが示唆されている。週4日勤務制は求職者にも魅力的なメリットとなり、... もっと見る競争優位となるが、大きな課題も残る。本稿では、過去に週4日勤務の導入を目指した企業の実験を踏まえ、現代において週4日勤務を成功させるためのポイントを解説する。 閉じる

週4日勤務で生産性とウェルビーイングが高まる可能性

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが収束してからというもの、柔軟な働き方に関する話題は、出社勤務に戻るべきかどうかとその出社日数に集中してきた。米国では現在、リモートワーク可能な仕事に就く人の3分の1が常にリモートで働いている。リンクトインの調査によると、2023年5月の時点で、米国の求人広告のほぼ9件に1件がリモートワーク、13%がハイブリッドワークであり、応募者の66%がリモートワークおよびハイブリッドワークのポジションに応募していた。あるCEOの話では、職務内容に「リモートまたはハイブリッド」という言葉を入れると、応募者の数が3倍に増えたという。

 だがいま、新たな波乱の可能性が高まっている。週4日勤務を試験的に導入する企業が出てきたのだ。そして初期段階における成果からは、週4日勤務によって生産性もウェルビーイングも高まっていることが示唆されている。

 証拠を見てみよう。求人検索サイトを運営するインディードの調査によると、週4日勤務を喧伝する求人広告はまだ全体としては少ないが(0.3%)、その数はここ数年で3倍に増えている。最も多いのは、医療や歯科、獣医、製造業、生産など、対面勤務を必要とする部門だという。全米自動車労働組合(UAW)は当初、週4日勤務を労使交渉に含めていたが、最終合意には盛り込まれなかった。