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先の見通しが立たない時、戦略的に立ち止まれるか
変化の激しい時代には、躊躇していては成功できないと常識のように考えられている。材料科学の目覚ましい進歩、革新的なビジネスモデルの出現、消費者の行動パターンの変化、AI(人工知能)の普及といった展開を目の当たりにして、多くの企業幹部は不安を感じている。いまただちに後れを取り戻すことができなければ、ライバル企業に先を越されてしまい、向こう20年間市場から締め出されると心配しても不思議でない。
このような不安を抱くのは重要なことだ。しかし、時には、すぐに行動しないことが好ましい結果につながるケースもあるのではないか。筆者らは以前の著書『望む未来を創り出せ』で、行動することに前向きな基本姿勢を持つ重要性を説いた。しかし、行動に前向きであることと、手当たり次第行動することはイコールではない。
今日のように、不確実性が高まっている時代には、戦略的にあえて躊躇すること、言ってみれば「積極的な休止」(active pause)により、利点が生まれる可能性がある。このような時期には、もしかすると減速することが最善の選択なのかもしれない。「積極的な休止」がとりわけ有効性を発揮する可能性があるのは、以下の3種類の状況だ。
「積極的な休止」が恩恵をもたらす状況とは
商品やサービスを提供する市場について理解を深めたい場合
このパターンでは、いわゆるアジャイルムーブメントを実践し、実験と学習を繰り返すこと、つまり小規模な実験を設計・実行することを繰り返して地道に前進する能力が必要である。