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サマリー:現在のインフレは、富の格差や企業の価格設定力など複数の要因により生じている。こうした状況では、顧客との信頼構築は難しいが、透明性を保ちながら積極的なコミュニケーションを行うことで、その信頼を得やすくな... もっと見るる。本稿では、インフレ期に顧客と信頼を維持するだけでなく、むしろ信頼を強め、収益向上につながる5つの戦略を紹介する。 閉じる
複雑な背景を持つインフレの進行
顧客との間に信頼を築くことは難しい。今日における富の格差は、この数年にわたるインフレの進行と相まって、信頼の構築をいっそう困難にしている。カタリストが実施した最近の研究によれば、インフレの責任は企業の強欲にあると考える消費者の割合が2022年以降、8%増えている。
しかし、この現象はそれほど単純なものではない。インフレ傾向は、コロナ禍でサプライチェーンが混乱し消費者需要が変化する中で、企業の既存の力が価格設定に影響を及ぼしたことによる、より広範な経済的変化も反映しているからだ。
今日の消費者の信頼に影響を及ぼしている要因
コロナ禍後のインフレ期に、消費者の心理は変化した。この変化の根底には、業界や経済の状況など制御不可能な要因と、製品カテゴリー、ブランドのレピュテーション、従来の顧客体験や期待といった直接的な要因がある。
コミュニケーション、透明性、信頼性は非常に重要だ。金融情勢に目まぐるしい変化が起き、サプライチェーンが政治的緊張の影響を受ける状況下では、ブランドはたとえネガティブな変化であっても──むしろネガティブな変化であればこそ──積極的にコミュニケーションを図ることで信頼を構築できる。
消費者の信頼は、これまでに築いてきたレピュテーションとも密接に関連している。質の高いサービスを常に提供してきたブランドは、インフレ期でも健闘する可能性が高い。