社会的な取り組みによって自社ブランドを強化する方法
Jamie Grill Atlas/Stocksy
サマリー：今日の競争の激しいビジネス環境において、企業はますます革新的な戦略を求めるようになっている。一方で、しばしば見落とされがちな戦略アプローチがある。それは、企業が行う「社会的な取り組み」である。これは、...　もっと見る会社の成長や顧客のロイヤルティ、従業員のエンゲージメントを促進する重要な手段となるものだ。本稿では、社会的な取り組みの強化によって会社のブランドアイデンティティ確立に成功した事例から、このような取り組みをどのように企業のブランド価値向上へつなげることができるかを説明する。　閉じる

企業戦略策定において見落とされがちなもの

　競争が激しさを増している今日のビジネス環境において、企業はますます革新的な戦略を求めるようになっている。成長を加速させ、顧客ロイヤルティを構築し、従業員のモチベーションを向上させるのだ。そのためのアプローチの一つに、しばしば見落とされているものがある。それは、企業が行う社会的な取り組みである。

　ビジネス界のリーダーたちは、社会的な取り組みの効果に懐疑的な見方をしている場合が多い。助成金の拠出、ありがちなボランティア活動、どの会社でもやっていそうな環境保護プログラムなど、ありきたりの活動を行っても、たいてい際立ったインパクトを生み出せないためだ。この種の活動はあまり強い印象を与えられない場合が多い。独自性を欠いていて、人々の感情に訴えかけられず、注目を引きつけたり、真のエンゲージメントを促したりすることができないのだ。

　企業が社会的な取り組みによって差別化を図るためにカギを握る要素は、自社ならではのプログラムをブランド化することだ。具体的には、注目を集めやすく、人々の心を動かす力を持っていて、信頼性があり、しかも自社のアイデンティティと合致したプログラムを確立しなくてはならない。これらの条件を満たした取り組みは、ブランドのイメージと存在感を向上させるうえで費用対効果の高い方法であるだけでなく、顧客および従業員の有意義なエンゲージメントを育む手立てにもなる。

成功する社会的プログラムの構成要素

　成功する社会的プログラムは、以下の条件を満たしている。