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なぜ企業の成長戦略はうまくいかないのか
世界で最も優れた成長戦略であっても、その中心となる人々が、それを成し遂げようというモチベーションやスキル、リソースを持たなければ、失敗に終わるだろう。長年にわたり数多くの会社の成長戦略に関するコンサルティングを行ってきた筆者が、戦略の実行能力を開発するうえで最も重要だと考えるのは、シニアリーダーから現場のチームメンバーまで、社内のすべてのステークホルダーが戦略そのものに広く関与することだ。
残念ながら、多くの場合、企業が成長戦略の立案に乗り出しても、コンサルティング会社や社内の戦略チームがデータを収集し、市場と競合を分析し、シニアリーダーとともに成長計画を策定して、その後に単に従業員に指示を出すというやり方が取られている。
このアプローチでは、戦略の策定に関与していないマネジャーやチームは、戦略を十分に理解していなかったり、賛同していなかったり、必要なことを実行するためのスキルを持ち合わせていなかったりすることも少なくない。
実行の失敗
筆者は数年前に、電気通信業界向けにソフトウェアを提供する企業で、このような事態を目の当たりにした。社内の戦略チームは、外部の専門家のサポートを受けながら、売上高を30%以上伸ばす計画を立てた。その中には、全米で数十人の営業担当者が新しい、よりハイエンドの統合エンタープライズ・ソフトウェア・パッケージの販売に専念する一方で、新たに結成される社内グループがローエンドのレガシー製品の販売とサポートを行うという計画があった。