
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
仕事とプライベートの境界をどう維持するか
経営不振に陥っている企業に勤めていると、何とか状況を好転させようと長時間労働を迫られているように感じるのは普通のことだ。この傾向は、収益に直接影響を与える事業開発部門で特に顕著である。
筆者のクライアントのジェームズ(仮名)は、まさにそのような状況に直面していた。ジェームズはサイバーセキュリティ関連のスタートアップの事業開発担当バイスプレジデントで、1年半前にこの会社に加わったばかりだった。だが、新しい環境に慣れるにつれて、会社の戦略や方向性に懸念を抱くようになった。経営幹部の会合に招かれた時も、その方針に同意できず、むしろ会社の成長を危うくしていると思った。ジェームズは、業績を好転させるために経営幹部の考えの一部に異議を唱えたいと考えていたが、同時に、仕事とプライベートの境界線を維持することに苦心していた。
このジレンマを筆者とのコーチングミーティングで語った時、筆者は次のような戦略を提案した。ジェームズはそれを実践して、仕事とプライベートの境界線を維持しつつ、事業開発担当バイスプレジデントとして成功を収めることができた。
助言するタイミングと、様子見のタイミングを見極める
ジェームズは、15年以上にわたりテクノロジー業界のさまざまな規模の会社で働いた経験から、何がうまくいき、何がうまくいかないかをその目で見てきた。そして、事業開発担当バイスプレジデントとして経営チームに助言する役割を超えた行動を取るべきか(その場合どのくらい超えるべきか)、考えあぐねていた。経験の乏しいCEOが、ジェームズの意見を歓迎しない可能性がある領域に踏み込むことになるだけに、特に悩ましかった。また、本来の職務範囲を超えた仕事をするためには、それなりの時間とエネルギーが奪われ、彼が最も優先している物事に割く時間も減ってしまう。