上司の「お気に入り」になれなくてもキャリアを好転させる方法
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サマリー:職場におけるマネジャーのえこひいきは深刻な問題だ。56%のマネージャーには昇進させたいお気に入りの部下がおり、その結果、96%が実際に昇進するという。えこひいきは法律上の問題や仕事の満足度、モチベーション... もっと見る、パフォーマンスに悪影響を及ぼすが、しばしば見過ごされる。本稿では、上司のお気に入りになれなかった人が、キャリアの見通しを改善する方法を提案する。 閉じる

マネジャーの56%には昇進させたいお気に入りがいる

 えこひいきは、職場に蔓延しているがあまり語られることのない現実であり、仕事のやりがいやチームの士気をひそかに低下させている。おそらくあなたが思っている以上に大きな問題なのだ。

 ある調査によると、56%のマネジャーには、正式なレビューのプロセスが始まる前に、昇進させたいお気に入りがいたという。そして最終的に、あらかじめ選ばれていたお気に入りが昇進を勝ち取ったケースは96%に上った。また、84%のマネジャーが、誰が昇進するかを決めるうえで、えこひいきが重要な役割を果たすことを認めている。ハイブリッドワークやリモートワークへの移行は、近接性バイアス、すなわち物理的に離れている人より近くにいる人を優遇する傾向の問題を増幅させている。

 えこひいきは潜在的な法律上の問題を含み、仕事の満足度やモチベーション、チームの士気、パフォーマンスに悪影響を与えるにもかかわらず、対処されないことが少なくない。微妙で主観的であることが多いえこひいきは、正確に特定して定量化するのが難しいものだ。また、優遇措置が組織文化に根づいて常態化している場合もあり、会社のトップリーダーがえこひいきを示せば、問題はますます陰に追いやられる。さらに、従業員は悪影響を恐れて、懸念を表明することを躊躇することも多い。

 こうした要因から、上司のえこひいきを知った部下は、孤独を感じ、どうすればよいのかわからなくなる。そこで、この複雑で困難な環境を切り抜けて、あなたのキャリアの見通しを改善する方法を提案する。

自分の感情をマネジメントする

 望ましい仕事がすり抜け、評価や昇進を見送られたと感じると、不公平感や不安、憤りを感じるのも無理はない。こうした感情は自然なものだが、気にしすぎると自分の手足を縛ることになりかねない。