
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
孤独を和らげるコミュニティを構築できているか
多くの人が知っているように、リモートワークは孤立しやすい。その孤立感はしばしば孤独感につながり、従業員のストレスの原因となって、仕事のパフォーマンスに大きな影響を与える。2022年に『ジャーナル・オブ・オーガニゼイショナル・エフェクティブネス:ピープル・アンド・パフォーマンス』誌に掲載された論説によると、ストレスや孤独に起因する常習的な欠勤は、米国の雇用主に年間推定1540億ドルのコストをもたらしている。
孤独と孤立は、公衆衛生当局がこの状況を伝染病と宣言するほど、ここ5年間で社会に広く影響を及ぼしている。この危機の中心にあるのが、コミュニティの欠如だ。
『スタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビュー』誌は、コミュニティとは何であり、何でないかを認識する形で、コミュニティを定義している
筆者はアドバイザーやコーチとして、コミュニティの感覚がどのようにして組織に利益をもたらすかを見てきた。世界中で3000人がリモート勤務をする企業と仕事をした際は、多くの人がリモートワークの柔軟性を楽しんでいた。
ただし、データや観察から共通のニーズがあることがわかった。すなわち、コミュニティを通じて、より大きな安心感、尊重、気遣いを育むことだ。コミュニティが孤独の解毒剤であることは明らかだ。
本稿では、このグローバル企業などクライアントとの仕事からヒントを得た戦略やアプローチを紹介する。人材やチームのマネジメント、企業文化の保護の下、リーダー、マネジャー、従業員がリモート環境でコミュニティを構築するために検討できる、エビデンスに基づいた戦略やアプローチだ。
リモートワーカーは、物理的、業務的、親和的という3種類のバーチャルな距離を経験する。最初の2つはリーダーやマネジャーの影響力は小さいかもしれない。物理的な距離とは、異なるタイムゾーンや地域で働く従業員のことだ。2つ目の業務的な距離とは、バーチャル環境の接続の不備、非効率的なワークフロー、コミュニケーションの行き違いなど、共同作業の成功を邪魔しかねないツールやポリシー、手順に関連する。
3つ目の親和的な距離とは、同僚間のつながりの質に関連する。これはリーダーの影響力の範囲内にある。そこで本稿は、リモートワーカー同士のつながりの質を高めながらコミュニティを構築するというプロセスに注目する。
研究によると、質の高いつながりは、尊重を伴う関わり、サポート、信頼、遊び心など、簡単な方法でつくることができる。以下の4つの実践的な戦略は筆者が仕事で使ってきたものであり、この研究を裏づけている。