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デューディリジェンスの考え方で既存事業を分析する
成長プランに着手してから約束した結果が出るまで待つのは、もどかしいものである。無理もない。秋に策定し、予算化したプランの成果が現れ始めるのはたいてい、翌年に入ってしばらく経ってからである。このスピードでは結局、約束されていた結果の一部しか実現しない。しかも、成長の取り組みは特定の狭い領域に集中する傾向があるので、短期的利益が出たとしても、持続的成長のための企業全体のケイパビリティは強化されない。
成長の取り組みがこうして失速したり、サイロ化したりするという問題に対処するうえで、よい方法がある。それは、プライベートエクイティファームが磨き上げた実証済みのアプローチとして、投資先企業に対して行うデューディリジェンスを用いることだ。これを行うことで、収益が増加する領域が特定され、価値を創造し、コストが削減できる。それにもかかわらず、成長戦略の実行において活用されることは、ほとんどない。
適切に行われるデューディリジェンスは、取引の合意後、契約の調印前に実施される通常の調査よりもはるかに幅広い。通常の調査では、ターゲット企業の帳簿が適正であることを確認し、効率向上の可能性のある領域を特定し、業務やテクノロジー、契約、顧客に隠れた問題がないかを探る。しかし適切なデューディリジェンスは、成長を含めたあらゆる局面の機会をアグレッシブに追求し、迅速で測定可能な成果に焦点を合わせる。
デューディリジェンスの実施を買収の場面に限る理由はない。筆者らは、あらゆる種類の企業が「デューディリジェンスのマインドセット」によって、商業上および業務上の機会を通常よりも迅速に発見し、前進して、成長を加速させるのを見てきた。また、プライベートエクイティファームは、デューディリジェンスのプロセスの強化とスピードアップのためにAI(人工知能)や機械学習を早くから取り入れている。その経験をヒントにすると、すべての企業がAIや機械学習を活用して、1~2四半期で目に見える成長を成し遂げる方法が見えてくる。
デューディリジェンスを活用して成長戦略を描く方法
デューディリジェンスのプレーブックから、いかなる企業でも成長戦略に適用できるいくつかのステップを紹介しよう。