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CEOに降りかかる多数の課題と強い圧力
少し前に、筆者は友人でもあるCEOと難しい会話をした。彼は競争の激しい業界で事業を展開しており、みずからの戦略的アジェンダをいかに誇りに思っているか、そして戦略を実現するためにチームがいかに奮闘しているかを語った。チームは疲弊していたが、目に見える進歩に活力を得ていた。彼の会社は重要な分野において好調で、多くの点でこのCEOがそれらを誇りに思うのも当然だった。
しかし、競合他社を含む他社を観察し、彼の会社と時間を過ごすうちに、成長性、効率性、拡張性、規制上の位置付けにおいて後れを取っていることがわかった。筆者はこの機会を利用して、うまくいっていると思うことを認めると同時に、彼らが競合に比べて後れているという厳しいメッセージを伝えた。言うまでもなく、困難な会話だった。
刻々と変化する今日の環境において、これは稀な状況ではない。CEOには、短期のうちに激しく、さまざまな方向から課題が生じるとともに圧力がかかってくる。株主は経営陣が財務的成果を出すことを容赦なく求め、規制当局はサイバー、AI(人工知能)、気候やダイバーシティに至るまで、無数のトピックにわたって既存のルールのハードルを常に引き上げたり、新たなルールを導入したりしている。さらに、顧客の期待も常に変化しており、競争の激化は企業に継続的なイノベーションの必要性を訴える。
これらの影響により、企業の短期的なアジェンダの均一性が高まっている。多くの企業は、コスト競争力の向上、収益成長の促進、買収・売却による事業ポートフォリオの再構築、規制上の課題への対応、生成AIのようなテクノロジーの導入によるイノベーションと営業レバレッジの改善などを積極的に模索している。
筆者が話をするほとんどのCEOは、自分たちの戦略的アジェンダとその達成に向けた努力を誇らしげに語る。しかし、PwCの第27回CEO意識調査では、現状のままでは自社が10年以上存続できるとは思えないとCEOの45%が回答している。このことは、多くの企業が競合他社やディスラプター(破壊者)に先を越されるリスクを抱えていることを意味し、CEOが今日自問すべき最も重要な質問を思い起こさせる。「私の戦略は十分に大胆であり、それを実行するための適切なチームを持っているか」というものだ。もしこの質問に自信を持って「イエス」と言えないのであれば、以下を参考にしてほしい。あなたの戦略が十分に大胆で、目標達成のために適切なチームを持てるようにするための4つの重要な行動だ。