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マネジャーの2割は人材管理をしたくない
管理職の仕事が、管理不能になりつつある。組織はフラット化する一方だ。ガートナーの調査によると、平均的なマネジャーの直属の部下の数は、この6年で2.8倍に増えた。また、ここ数年だけでも、マネジャーはリモートワークへの移行、ハイブリッドチームの監督、出社勤務の義務化など、一連の大きな方針転換を強いられた。
現代のマネジャーは、有効なマネジメントが可能な仕事量を51%上回る責任を抱えているという調査結果もある。さらに彼らは、組織を支える重要な柱であり続けている。そして経営陣の期待に応えつつ、部下たちの期待にも応えるという重荷を背負っている。
マネジャーたちはその重圧に屈し始めている。54%が仕事に起因するストレスや疲労にさいなまれ、44%が直属の部下に個別のサポートを提供するのに苦労している。そして20%が、選ぶことができるなら、人材の管理をしたくないと答えている。
さらに、従業員とマネジャー計9000人以上から集めたデータを分析した結果、マネジャーの約半分(48%)が失敗のリスクにさらされている。これは以下の2つの観点に基づき判断した。
1. パフォーマンスに一貫性がない。そのマネジャーが率いるチームは、過去12カ月間に一貫して目標を達成してきたか。
2. 将来の見通しが弱い。そのマネジャーはチームの能力を信じているか。チームは、チームを成功に導くマネジャーの能力を信じているか。
その危険性は大きい。失敗のリスクがあるマネジャーの下で働く従業員は、そうでない従業員よりも、優れた成果を上げる可能性が91%低く、組織を辞めたいと思う可能性は3倍高く、顧客満足度とイノベーションの目標を達成できない可能性は4倍高い。
マネジャーの失敗リスク要因
100以上の予測因子を分析したところ、従来の思い込みに反して、優先順位をつけられないとか、技術的スキルの欠如、前例のない変化、効果のないコーチングといった課題は、マネジャーの失敗を予測する上位因子ではないことがわかった。マネジャーの失敗を予測できるトップ4の要因は以下の通りだ。