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チーム内対立が起こる時
チームを管理したことのある人や、チームで働いたことのある人なら、チーム内の対立は避けられないものであると同時に、気が散る要因になることを知っているだろう。多くのマネジャーがチーム内の対立を可能な限り避けたいと考えており、理性的な人々が解決してくれることを願っている。それにもかかわらず、調査によると、マネジャーは平均して自分の時間の20%以上を対立のマネジメントに費やしている。
シニアエグゼクティブであるバーバラは、悪いニュースが続いてとにかく厳しかった一日の終わりに、臨時のチームミーティングを招集した際の印象的なエピソードを筆者らに話してくれた。
彼女はこのミーティングで、チームが正しい軌道に戻るために取るべき行動について意見をまとめたいと考えていた。しかし残念ながら、メンバーが互いを非難して自分の行動を擁護することに終始した。ミーティングが始まって10分も経たないうちに、彼女は戦術を変えなければ手に負えなくなると悟った。
筆者らは過去30年にわたり、バーバラのような多国籍企業の経営陣や、中国の工場の組み立て部門のチーム、一流ビジネススクールでMBAを取得した人々など、数多くのチームの対立を研究してきた。マネジャーからチームの対立に関するエピソードを聞き、エグゼクティブを対象に調査を行い、取締役会で展開される対立を観察してきた。研究の目的は、チームの対立がどのようなもので、時間の経過とともにどのように変化するのかを理解し、マネジャーがチームのパフォーマンスを向上させる手助けをすることである。
その結果、文化や内容にはさまざまな違いがあるが、ほぼすべてのチームの対立に共通する4つのパターンがわかった。さらに、マネジャーがチーム全体の利益を尊重して、対立の解決に積極的な役割を果たすと、ポジティブな結果につながり、信頼が高まって、よりよい意思決定が効果的に実行されやすくなることもわかった。
本稿では、筆者らが特定した対立の4パターンと、それぞれのマネジメント方法を説明する。
一人の反対者:個人を取り巻く対立
チーム内の対立が、一人のメンバーを中心に展開する時もある。この人物は他のメンバーとうまくつき合おうとしない、周囲と関わりを持つ意思がないなど、「浮いている」存在かもしれない。あるいは、チームがあまりに仲良くしている時に、他のメンバーに違うやり方を考えさせるために「あえて反対する」のかもしれない。