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プロダクトマネジャーという職の光と影
プロダクトマネジャーは、テクノロジー分野で働く多くの人にとって憧れの仕事になっている。何しろ、高収入が約束され(就職クチコミ情報サイトの「グラスドア」によれば、プロダクトマネジャーはテクノロジー分野でも有数の高給の職だ)、莫大な数の顧客の生活に好ましい影響を及ぼせるプロダクトを形づくる経験ができるのだ。
そのため、どうすればプロダクトマネジャーになれるのかということは、多くの人の関心を集めている。とりわけ、新卒者やキャリアの転換を目指す人たちは、その点に興味津々のようだ。
しかし、プロダクトマネジャーになるのは簡単でない。ほとんどの会社で、プロダクトマネジャーのポストには限りがある。たまにポストに空きが出たとしても、そのポストに就きたいと希望する人がポストの数をはるかに上回る。そうした状況で憧れの職に就ける確率を高めるべく、多くのプロダクトマネジャー志望者は、ソーシャルメディアで「プロダクトマネジャー界のインフルエンサー」たちがまき散らしているアドバイスの類いに従って行動しようとする。
筆者の経験に照らしていうと、そうしたインフルエンサーたちのアドバイスは、往々にして不完全だったり、不正確だったりする。また、プロダクトマネジャーの日常を過度に美化して描いているケースが多い。
たとえば、オンライン上のインフルエンサーたちは、プロダクトマネジャーを担当プロダクトにおけるCEOのような存在と位置づける。さまざまな部署のメンバーで構成されるチームを円滑に指揮し、ほとんどの時間をプロダクトの戦略とビジョンを編み出すために費やしている、というイメージだ。
しかし、現実はこの通りではない場合もある。このような描写からは、プロダクトマネジャーたちが経験している過酷な現実が見えてこない。実際には、激しい重圧の下で不確実な状況に向き合わなくてはならず、正式な権限を持っていないにもかかわらずステークホルダーたちとの複雑な関係をマネジメントすることを求められる。そして、エンジニアチームやデザイナーチームの面々とともにプロダクトの細部に深く関わる必要もある。
筆者がプロダクトマネジャーになるまで
筆者も、はじめからプロダクト開発関連の職に就いていたわけではなかった。インフルエンサーの大げさな話に魅了されてプロダクトマネジャーを志すようになり、2021年にアマゾン・ドットコムのプロダクトマネジャーに転身して現在に至る。





