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効果的なダイナミックプライシングの知識
市況の変化に合わせて価格を変動させるダイナミックプライシングは、昨今たびたびニュースになるが、その理由は必ずしもよいものではない。
英国パブチェーンのストーンゲート、ファストフードのフランチャイズを運営するウェンディーズ、航空会社のジェットブルーは先頃、一部商品の価格を需要に基づいて変動させる計画を発表し、強い反発を招いた。
2024年4月中旬には、レゴランドとマダム・タッソー館を所有・運営するマーリン・エンターテイメンツが独自の価格変動制を発表したが、これはビジネスメディアがしばしば「サージプライシング」や「ウーバー型」プライシングと呼ぶものである。
猛吹雪の後の雪かきシャベルからテイラー・スウィフトのコンサートチケットに至るまで、需要が供給を上回る時に商品の価格が上がると、人々は昔から不満をこぼしてきた。
しかし、インフレで疲弊した買い物客はいまや、さまざまなカテゴリーで価格がかつてない規模と頻度で変動する様子を目の当たりにしている。彼らは総じてダイナミックプライシングを、有力企業が利益を増やすために編み出した狡猾な商業的仕掛けであると見なし、いら立ちと反発を募らせている。
したがって、マネジャーや学生やジャーナリストが筆者らに「いくらかの増収の見込みと引き換えに、市場を遠ざけるリスクを冒す価値はあるのですか」と尋ねてくることが増えたのも意外ではない。この質問に対する筆者らの答えは、明確に「イエス」だ。ただし、いくつか重要な条件がつく。
自社と顧客にとって効果的なダイナミックプライシングを実施するために、企業が知っておくべきことを以下に挙げよう。
固定価格が最適であることはめったにない
ダイナミックプライシングに対する批判は多いが、もう一方の選択肢も万能ではない。固定価格は各顧客、各購入状況を同一に扱うが、実際はそれらには多くの違いが存在する。顧客は固定価格のせいでアクセスの機会が得られない場合、不満を募らせる。