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退屈な仕事を続けるほうが楽に感じてしまうメカニズム
私たちは気がつくと、つまらない仕事に没頭していることがある。そして、つまらない仕事を長く続ければ続けるほど、やめられなくなるのだ。同じ目的を果たせる、さらに楽しい方法に切り替えるチャンスがあっても、やり続けてしまう。身に覚えがあるだろう。そばにあるPCを使えば楽なのに、わざわざ大変な思いをして携帯電話で長文メールを打ったり、文書を自動的にフォーマット化してくれる手軽なソフトがあるのに、手作業で書式を整えたりする。空き時間が1時間できた時に、外へ散歩に出れば気持ちがよいのに、面白くもないテレビ番組を見て過ごしてしまうのだ。
みずから好んで、最適でないやり方に固執する人はいないが、私たちがそうしてしまう理由が、研究によって明らかになってきた。人は、一度学習した方法を、さらに革新的なやり方があるにもかかわらず、その後の問題に適用しようとして「使いすぎて」しまうのだ。一度習得した方法が真っ先に頭に浮かぶようになり、ほかの方法を検討することが妨げられる。専門家が時に、型破りな発想を苦手とする理由の一つがこれである。
客観的に見れば、目的を果たすために、さらに楽しい方法が選べるのなら、そのチャンスをつかむべきだろう。誰だって好きなことに時間を使い、楽しく効率的に目的を果たしたいと思っている。マネジャーも、部下にそうしてほしいと望んでいる。幸せな従業員ほど生産性が高いからだ。多くの企業が健康で幸せな労働力を持つことの利点に気づき、その可能性を高めるようなワークプレイスを設計している。