新たなプラットフォームの台頭

 今日、グローバル企業にとって最大の悩みの種は人材である。人件費が相当なコストであることは言うまでもないが、それ以上に人材をいかに確保するかが問題となっている。

 企業の規模やブランド力にかかわらず、組織は高確率で人材難に陥っている。それは数字を見れば明らかだ。2021年3月に31カ国の3万人を対象に行われた調査では、労働者の約41%が離職を考えていることがわかった。米国では同年の4月だけで、400万人の労働者が退職している。

 いわゆる大退職時代(グレート・レジグネーション)は終わりつつあるとはいえ、求人数は世界的に増加しており、特にテクノロジー領域で増えている。2021年は1000万人の新たな技術職が創出され、2022年になると3500万人に増加した。2025年には、その数が1億5000万人に達するという予測もある。AI(人工知能)スキルへのニーズが高まることで、この需要の急増に拍車がかかると考えられる。2030年までに、世界中で8500万件以上の職が埋まらず、金額にして8兆5000億ドル相当の人材不足に陥る可能性がある。