あなたはマイクロマネジャーか、放任型マネジャーか
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サマリー:多くの新任リーダーたちは、マイクロマネジャーになりたくないと考えている。しかし、部下に裁量を与えようと意識するあまり、放任になりすぎるおそれもある。本稿では、マイクロマネジメントと放任型マネジメントの... もっと見るどちらかに傾きすぎていることを示唆する3つの危険信号を踏まえ、マネジャーがチームの成功のために行うべきサポートを紹介する。 閉じる

マイクロマネジャーと放任型マネジャーに翻弄される

 私にとって初めての上司であるコリーンは、マイクロマネジャーだった。オープン型のオフィスで、彼女が近くを通るたびに、私は緊張で体が硬直したものだ。いつも監視されていた。コリーンが完璧を期待していることは、チームの誰もが知っていた。それは「コリーンのやり方」で仕事をすることを意味した。私は彼女の好みの移り変わりを学ぶことに全力をそそぎ、彼女の完璧な助手になった。それでもコリーンの管理の手が緩むことはなかった。

 次の上司であるジルは、コリーンとは正反対だった。彼女は完全な放任主義者だった。私がメンバーに加わった初日から、ジルは私が使うデスクを指差すと、大きなプロジェクトを任せて、「あなたならできるわよね」と言って、会社の資金提供者とのランチに行くために颯爽と出かけていった。予算も、期限も、関係者の連絡先も何も知らされなかった。ジルがオフィスを行き来する合い間に質問しようとしたが、彼女はいつも忙しそうに動き回っていた。最初は、これまでにない形で信頼されていると感じたが、確認しなければならないことがあまりにも多くて、私はすぐに途方に暮れ、参ってしまった。

 この2人の上司を経験した結果、私自身がマネジャーになる時は、2つのことが明確になっていた。一つは私はリーダーになりたいこと、もう一つはコリーンやジルのようなリーダーにはなりたくないということだ。私は部下に、裁量と支援の両方を与えたかった。しかし、やがて、そのバランスを取るのは予想以上に難しいことがわかった。

難しいバランス

 現在、私はリーダーシップコーチやトレーナーとして、新任マネジャーの支援を専門に行っている。クライアントの多くは、よかった時の話もするが、過去の上司の恐ろしい話や、部下に同じ思いをさせたくないという話もよくしてくれる。

 こうした会話から、新任リーダーたちは、私が初めて管理職に就いた時のように、マイクロマネジャーになりたくないのだと気がついた。自分自身がずっとほしいと思っていた信頼と裁量を、自分のチームには与えたいのだ。だが、部下たちに裁量を与えようと意識するあまり、放任になりすぎるおそれがある。

 リモートワークとハイブリッドワークが広がった結果、過剰な関与と管理不足のバランスを取るのはますます難しくなった。対面で定期的に監督する機会がなくなったために、チェックインやデジタル監視を過度に駆使するマイクロマネジャーもいる。これに対して放任型のマネジャーは、部下にすべてを任せすぎるリスクがある。どちらのタイプのリーダーでも、部下は不満をため込み、やる気を失い、辞めてしまうおそれがある。