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新入社員が有益なネットワークを構築するためにどうすべきか
新入社員(中途採用者を含む)のオンボーディングでは、最初に大量の資料(ハンドブックやオンライン学習教材、マニュアルなど)を配布することが、一般的な手法になっている。これは有用かもしれないが、限界がある。単にコンテンツを覚えるだけでは、新しい仕事の手順を学び、新しい環境に適応することはできない。組織における重要な知識や専門性の多くは、人に宿っている。ところが、すべての組織がこの貴重なリソースを活用しているわけではない。ある研究によると、会社が自分と同僚の交流を促す工夫を何もしていないと考える従業員は20%に上る。
戦略的な関係を築く機会がない新入社員は、組織に溶け込むのに苦労する可能性がある。ある情報を得たい時に誰を頼りにすればよいかわからなかったり、会議で意見を言う自信がなかったり、学習曲線が期待よりも低迷していたり、全体的に熱意が低かったりする。
重要なのは、職場で友情を育むだけでなく(それも大切だが)、新入社員がネットワーキングを通じて、情報やリソースやサポートを与えてくれるアライ(味方)との関係づくりができるよう助けることだ。このような人間関係を構築することで、アイデアや専門知識の共有が促進され、コミュニケーションが改善し、イノベーションとコラボレーションの機会が拡大するといったメリットがある。また、長い目で見ると、同僚との関係を築くことは、新人の学習や生産性、職場との結び付き、帰属意識、熱意、定着率を高めることができる。
リーダーは、新入社員が受け身になって消費するだけの情報を大量に与えるではなく、重要な知識を共有してくれる人たちとの戦略的な人間関係づくりが重要であることを強調して、コンテクストを理解させ、学習を加速できるよう支援すべきである。
本稿では、新入社員がこのように有益な人間関係を構築できるようにするために、マネジャーが取るべき3つのステップを説明する。
ナレッジマップを作成する
新入社員にとっては、社内の誰が何を知っており、従業員やグループがどのように配置されているかを理解することが重要だ。ナレッジマップは、その理解を加速させる優れた方法である。ここでは、マップを作成するうえでの3つのポイントを紹介しよう。
1. 現在の組織図を改訂する
組織図には通常、さまざまなポジションや階層構造が示されている。これをナレッジマップに変えるために、写真や専門分野、実績、スキル、才能といった情報を追加しよう。写真があると、名前や肩書きに「顔」をつけることができ、直属のチームメンバー以外の社員にも親しみを感じ、認識しやすくなる。