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子どもの頃、祖父母から新しい自転車をもらった時、母は私がお礼の手紙を書くまでは外に出てそれに乗ることを許さなかった。当時は不平を言ったことを覚えているが、以来、私は礼状に情熱をそそいでいる。
感謝の気持ちを伝えることの利点
私が2000年にエスティ・ローダー・カンパニーズに入社した時、ほどなくCEOの職を退くことになっていた上司のレナード・ローダーは、感謝の気持ちと礼状の大切さという私の母の教えをさらに一歩推し進め、コミュニケーションと経営のツールになると強調した(彼は回顧録の中で「よい礼状を書くことほど幸せなことはない」と記している)。並外れたコミュニケーターであり、母親の名を冠した帝国を築いたエレガントで思慮深い人物として知られるレナードは、感謝の気持ちが有意義な人間関係をもたらすことを知っている。「礼状は、たとえ1行でも、つながりを築くのに役立つ。ひとたび信頼関係を築けば、感謝だけでなく、アドバイスや提案をすることもできる」と彼は私に語った。
これは賢明なリーダーシップのアプローチだ。感謝や評価をそれにふわさしい人に示すことは、熱意、勤勉さ、忠誠心を生む。離職率が最も低い企業のリストを見ると、「ポジティブな環境」は、給与や福利厚生と並んで、人々が会社に留まる重要な要因の一つだ。ポジティブな環境をつくる方法として、感謝の気持ちを示すことほど効果的なものはない。