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退職理由の上位に「上司に対する嫌悪感」
人材会社の最高マーケティング責任者であるアニカは、上司が突然辞任し、同僚のチャールズがCOOからCEOに昇進したことを知り、落胆した。チャールズとは長年、仕事上の重要な問題で意見が合わず、緊張した関係やマイクロマネジメントに耐えることになるのではないか、最悪の場合、降格あるいは解雇されるのではないかと彼女は心配した。
「チャールズとは13年間一緒に働いてきて、一度も意見が一致したことがありません」と、アニカはコーチングのセッションで筆者に明かした。「彼にとって、いまが私を追い出すチャンスです」。彼女は先手を打って他の仕事を探すことさえ考えた。
アニカの反応は理解できる。嫌いな同僚や自分を嫌っている同僚が新しいリーダーになった時、不安や絶望を感じたり、その影響を心配したり、退職を考えたりするのは自然なことだ。結局のところ、上司との良好な関係や、上司の信望は、仕事の満足度やエンゲージメントに不可欠であるとの研究結果もある。退職の最も多い理由の一つは、上司に対する嫌悪感であることは、ギャラップのワークプレイスレポートで繰り返し示されている。
しかし、特にあなたが心からその組織や仕事を楽しんでいるのであれば、すぐに諦めないことが重要だ。その変化を、問題のある関係をリセットし、一緒に働くためのよりよい方法を考えるきっかけとして活用しなければならない。その方法を教えよう。
感情と事実を区別する
アニカはチャールズのCEO就任を聞いた時、感情に支配され、事実に基づかない懸念に駆られた。
このパターンから脱却させるために、筆者はアニカに、紙の片面に自分の感情や認識を、裏面には事実を書くよう勧めた。たとえば、片面には「チャールズは私を信用していない」、裏面には「チャールズは私のプレゼンにもっとキャンペーン結果やROIデータを含めるべきだと言った」と書く。このエクササイズでアニカは、チャールズが明らかに彼女を嫌っている、あるいは彼女のキャリアを妨害しようとしていることを示す実際のデータはないことに気づいた。彼はただ、彼女に異議を唱えたり、改善のための提案をしたりすることを恐れなかったのだ。
アニカはチャールズに対して、感情的な寛容さとオープンマインドを持つことを学んだ。彼は理想的な上司ではなかったが、彼女が頭の中でつくり上げた敵対者でもなかった。