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対立は避けて通れない
率直に言おう。職場での対立は、人と関わる上で避けて通ることのできない当たり前の出来事だ。
あなたが職場で対立に巻き込まれているとしても、あなたや相手に問題があるわけではない。実際、対立がいっさい存在しない職場などありえない。
新たなITシステムを導入するか否かの判断やその方法をめぐって意見が合わないこともあれば、どの戦略的イニシアティブを追求するかで衝突することもある。注目度の高いAIプロジェクトのリーダーの座をめぐり縄張り争いに躍起になったり、時には互いに受動攻撃的な態度を取ってしまうこともある。
そうした衝突は不快で、エネルギーを奪われることもあるが、誰もが経験するものでもある。問題は、対立が起きた時にどう対処するかだ。
本稿は、いままさに同僚と意見の相違を抱えている人、ぎくしゃくしたチームを率いている管理職、あるいは対立を解消するスキルを磨きたい人に向けた記事だ。ここでは、対立の解決とは何か、それがなぜ重要性なのか、そして、対立の解決プロセスをいかに経るかについて説明する。さらに、対立を乗り越える際に知っておくとよい、いくつかの原則も紹介していく。
対立の解決とは何か
一言で言えば、対立の解決とは当事者同士が互いに受け入れ可能な解決策を見出すことで、意見の不一致を解消するプロセスである。生産的なプロセスには、互いの利益(双方が得られるもの)への着目、すべての当事者による積極的な傾聴、オープンなコミュニケーション、ある程度の交渉が含まれる場合が多い。
「解決」の部分は必ずしも、次のステップについての厳格な合意とは限らない(厳格な合意に至れば有益だが)。対立解決プロセスへの参加には、他にもより抽象的なメリットもある。たとえば、相互理解の深まり(「なるほど、そういう意図だったのですね」)、緊張の緩和、協力の強化、より健全で強固な関係の構築などである。