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リーダーシップチームの力学を組織の他の人間はどう見ているか
多くのCEOや大企業の経営陣がエグゼクティブチームを重視するのには理由がある。1250のエグゼクティブチームを対象とした調査によると、企業の業績(収益、収益性、株主利益率)とエグゼクティブチームの優れたパフォーマンスの間には明確な相関関係がある。ただし、その調査で高いパフォーマンスを示したエグゼクティブチームは、全体のわずか20%だった。
トップリーダーが直観的に理解しているように、エグゼクティブチームがうまく機能すれば、組織全体にポジティブな波及効果をもたらす。しかし、チームがうまく機能しなければ、同じ波及効果が全社的な不均衡や混乱を引き起こしかねない。
結局のところ、エグゼクティブチームが企業の業績に多大な影響を与える要因は、その有効性を阻む要因と同じなのだ。たとえば、彼らは顧客、株主、金融市場など競合するステークホルダーからの外的なプレッシャーに直面する一方で、内部でのリソースの奪い合いや、優先事項が多すぎて利用できる資本が限られていること、そして、自分の業務とエグゼクティブチームとしての役割との間の緊張にも対処しなければならない。
また、エグゼクティブチームのメンバーは、それぞれ自分の担当職務を代表する立場(最高マーケティング責任者はマーケティングそのものと見なされる)であり、企業の顔でもある。そのため、チームの行動や内部の力学を見ることは、組織の他の人々にとってスポーツ観戦のようなものだ。さらに、CEOがチームのリーダーでもあるという事実により、権力の分散はゼロサムゲームになる。
エグゼクティブチームとして独自の責任を考えると、効果的に機能するために専門的なスキルとアプローチが必要であることは明らかだろう。しかし、そうした有効性を構築して維持する秘訣を理解している人はほとんどいない。エグゼクティブチームの機能不全の例はよく見受けられる。たとえば、彼らはしばしば対立を避け、不健全な競争心を戦わせ、人数が膨れ上がるなど、課題の焦点が定まらないこともある。
筆者らは20年間にわたり数多くのエグゼクティブチームと仕事をしてきた経験から、企業の業績と文化と適応能力に持続的な影響を与えるために彼らが果たさなければならない、重要かつ深い相互依存関係にある3つの役割を発見した。筆者らの観察では、エグゼクティブチームはこれらの役割のうち1つまたは2つはそれなりにうまく果たしているが、3つを統合できていない。
幸い、努力を惜しまないチームは、これら3つのすべてを実行する方法を積極的に学び、はるかに低いレベルで甘んじている多くのリーダーシップチームと差別化を図ることができる。