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AIを予算策定に活用する方法
近年、AIと機械学習は企業の予算策定におけるゲームチェンジャーと位置づけられ、財務予測とリソース配分にかつてない精度と効率性をもたらすと期待されている。
たとえば、セールスフォースのCFOであるエイミー・ウィーバーは、経費予測を向上させるための戦略的な手段として予測AIを継続的に活用している。キャタピラーで財務担当シニアバイスプレジデントを務めるカイル・エプリーは、機械学習を駆使して四半期ごとの財務予測にかかる時間を3週間からわずか30分に短縮した。ノベリスのCFOデブ・アフージャも同様に、キャッシュフローの予測と予算策定に社内の機械学習技術を用いている。
こうした中でガートナーは、2028年までに組織の50%が「時間のかかるボトムアップ型の予測方法」に代わってAIを使うようになると予測している。
とはいえ、最先端のAIツールを利用する態勢が最も整った企業でさえも、いまだに予算策定の課題と格闘している。ユニリーバを例に挙げれば、同社のCFOを務めるグレアム・ピッケスリーは『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙でのコメントで、コストの上昇、燃料費の変動、経済の不確実性を伴う環境の中、インフレを予測して2023年の予算を組むのがいかに難しかったかを認めている。BASFとコベストロの幹部らもこの点に同調し、AIに大きく投資するリソースがあるにもかかわらず、たえず変化する今日の市場環境の複雑性に、自社の予算プロセスを適応させるのは難しいと述べている。
これらの事例は、ある重要な疑問を生じさせる。AIがそれほど進化しているのであれば、なぜこのような課題がいまだに残っているのか。予算プロセスは、最初から最後まで人間の洞察を必要とするのだろうか。
戦術的予算策定 vs. 戦略的予算策定
予算策定は、主に戦術的要素と戦略的要素の2つを含む多段階のプロセスである。
            
    

  
  
  
          
          
          
          
          


