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【HBR CASE STUDY】
[コメンテーター]
ジョン・ハリントン(John Harrington)ボストン・レッドソックス CEO
エドワード・ゴールドマン(Edward Goldman)MDVIP 共同創立者
アレキサンダー・ラバク(Alexander Labak)ドイツ銀行 最高マーケティング責任者
ロバート・クランドル(Robert Crandall)アメリカン航空 前会長兼社長兼CEO
[ケース・ライター]
ポール F. ニューンズ(Paul F. Nunes)アクセンチュア 戦略変革研究所シニア・リサーチャー
ブライアン A. ジョンソン(Brian A. Johnson)アクセンチュア パートナー
*HBRケーススタディは、多くの企業に共通する「マネジメントのジレンマ」を取り上げ、実務家や専門家による具体的な解決策を提示する目的で作成されている。なお、事例および登場する企業名や個人名はすべて架空のものである。
新たな選択肢
テーマパーク「パラダイス・パーク」を経営するジル・フーバーは、これまで入場者全員に単一価格で入場券を販売してきた。
このやり方を改め、アトラクションを優先的に利用できる優待カードを発売すると売上げは伸びるのだろうか、それともダメージを被るのだろうか。まずこれまでの経緯をさかのぼってみよう。
辺りは子供たちの歓声で満ちている。それを耳にしてジル・フーバーの顔は思わずほころんだ。新しいローラー・コースター〈アナコンダ〉の完成は目前だ。完成目指してがんばってきた支配人のビルは、複雑な安全機能について説明していたが、彼女は「もう一度聞かせてくださらない」と大きな声で述べた。
〈アナコンダ〉は、ジル・フーバーが全国各地で展開しているテーマパークのなかでも最新かつ最大のアトラクションである。彼女はこれを目の当たりにするところだった。もちろん開発中にも何度か見ているが、最終的に完成し、しかも実際に動いている〈アナコンダ〉を前にすると圧倒された。