同僚と有意義なつながりを築くための5つの行動
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サマリー:仕事に対する意欲が低下している時、私たちは内にこもりがちになる。こうした反応は多くの人に共通しているが、逆効果でもある。意欲の低下を断ち切るために効果的なのが、職場での質の高い交流だ。本稿では、筆者ら... もっと見るのコーチング経験などをもとに、人と有意義なつながりを築くための5つの行動を紹介する。 閉じる

仕事への意欲を再び高めるために

 最近、仕事から気持ちが離れていると感じているのは、あなただけではない。それは厳しい数字としても表れている。米国の労働者の半数以上が仕事の意欲が低下していると感じており、それは組織だけでなく、自身のキャリアやウェルビーイングにも大きな損失をもたらしている。

 ディスエンゲージメント(意欲の喪失)の原因はさまざまかもしれないが、私たちの反応は驚くほど一貫している。内にこもってしまうのだ。この本能は、組織心理学者のウィリアム・カーンが行った従業員エンゲージメントに関する先駆的な研究で立証されており、一般的であると同時に逆効果でもある。脳の基本的な欲求に反して働き、メンタルヘルス、モチベーション、ストレス、反応力、認知機能にまで影響を及ぼす。さらに悪いことに、内にこもることは自己永続的で、断ち切るのが困難になる厄介なサイクルを引き起こす。

 目的を持った交流は、たとえ短時間であっても、内にこもるスパイラルを断ち切り、エンゲージメントを再燃させることができる。これは、単に会議を増やせばよいという話ではない。重要なのは、職場での交流の量ではなく、質にあるのだ。ともにミシガン大学スティーブン M. ロス・スクール・オブ・ビジネス教授であるロバート・クインとグレッチェン・シュプライツァーの研究によると、わずかな交流であっても職場のエンゲージメントを劇的に高めることができ、創造的なコラボレーションが社会的な親密度を向上させるという。

 今年、職場で再びエンゲージメントを高めたいと考えているなら、筆者らが2人合わせて40年以上にわたってビジネスリーダーや企業のプロフェッショナルにコーチングやコンサルティングを行ってきた経験から導き出した以下の5つの小さな行動が、一日を通して人との有意義なつながりを築くのに役立つだろう。

1. 共同プロジェクトを始める、あるいは参加する

 筆者(カーズ)のクライアントであるサラ*は、シニアオペレーションディレクターで、人々を鼓舞するリーダーシップを取ることで知られていた。サラは、自分がチームと距離を置き、コラボレーションに費やす時間が減り、ドアを閉めたオフィスにこもる時間が増えていることに気づいた。彼女は、疲労と回避のサイクルに陥っていると感じ、それがいっそう孤立を深めた。

 サラはディスエンゲージメントを放置するのではなく、1月をリセットのチャンスにし、コラボレーションを第一に考えて意図的に仕事を再構築した。部門横断的な問題解決セッションを設け、重要なプロジェクトの責任を共有するようチームに呼びかけた。こうした小さいながらも意図的なつながりを構築するため、一歩を踏み出すことで、彼女の仕事への熱意はいっきに再燃し、チームにも変化が現れた。

 このアプローチは、次のようにして再現することができる。

・部門横断的なインプットを必要とするサイドプロジェクトを提案する(オフサイトで行うチームビルディングのために、各自が好みの活動を書き込む共有文書を作成するといった、小さなことでもよい)
・他チームの新しいプロセスやツールのテストユーザーになることを申し出るなど、既存のチームの取り組みへの参加を希望する
・組織の課題を共有するための、非公式なワーキンググループを組織する