チームの成功を正しくアピールする技術
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サマリー:チームの貢献を適切にアピールすることは、戦略的なコミュニケーションであり、評価や新たな機会につながる。自慢と受け取られないようにするには、成果を具体的なデータや事例とともに示し、上司に自然な形で伝える... もっと見ることが重要だ。また、チーム内で公平に称賛を分配し、個々の貢献を強調することで、全員のモチベーション向上にもつながる。本稿では、チームの活躍を効果的にアピールする7つの方法を紹介する。 閉じる

チームの活躍を適切にアピールするのがリーダーの仕事

 あなたのチームが素晴らしい仕事をした時、その事実がきちんと周囲の目にとまり、認められる必要がある。自分のチームが会社に貢献したことをリーダーがアピールするのは、自慢とは違う。これは、チームメンバーがふさわしい評価を受け、よりよいリソースとチャンスと昇進を得るための戦略的なコミュニケーションだ。

 では、自慢にならないようにチームをアピールするにはどうすべきか。部下たちのもたらしたインパクトを、上司(とその上司)に示唆するには、どうすればよいのか。また、チームへの称賛をメンバーに公平に分配するにはどうすればよいのか。

専門家の意見

 部下の活躍が周囲の目にとまるようにすることは、彼らの成長と成功にとってだけでなく、リーダーにとっても重要だと、IESEビジネススクール教授のセバスチャン・ブリオンは指摘する。ブリオンの研究によると、優秀な従業員は、自分の仕事ぶりが見られているとモチベーションが高まり、いちだんと優れた仕事をする。また、追加研究によると、自分の貢献が認められた従業員は、その会社に留まる可能性が高いこともわかっている。「最高の人材でも、自分がきちんと評価されていないと感じると、忠誠心を失うものだ」とブリオンは言う。「したがって、その人物にふさわしい手柄を認め、脚光を浴びる機会を与えないと、よそに機会を求めるだろう」

 また、チームが優れた働きをすると、リーダーであるあなたにもプラスの影響があると、エグゼクティブコーチでポッドキャストを主宰するスーザン・バーバーは指摘する。それはリーダーに部下たちのポテンシャルを伸ばしたり、管理したりする能力があることを示すからだ。

 そのため、あなたが目指すべきは「あなたのチームが(組織に)もたらす価値と、あなたが組織に違いをもたらしていることが、周囲に知られるようにすることだ」と、The Visibility Factor(未訳)という著書があるバーバーは語る。本稿ではその方法を紹介しよう。

自分のチームを理解する

 優れたマネジメントは、チームメンバーの強みや関心、野心などを純粋によく知ることから始まる。まず、自分の役割や貢献をどのように考えているかを、チームメンバーに聞いてみよう。どのようなことがモチベーションになるか、どのようなスキルを伸ばしたいか、そしてどのようなキャリアパスを望んでいるか聞こう。

「本人の希望と一致する形でチームメンバーのことを売り込むためには、本人が現在の立ち位置をどのように認識していて、今後どのような方向に進みたいか理解する必要がある」と、ブリオンは言う。「本人にやる気がないのであれば、その人物のデータ分析が優れていることをアピールしても意味がない」

「見える化」チャネルを複数つくる

 次に、チームの仕事をアピールする方法を考えよう。ブリオンは大きく考えることを勧める。たとえば、休憩エリアでの同僚との気軽なおしゃべりや、シニアマネジャーとの年度末の評価、上司に見せる定期的な進捗報告書、部門会議や全社イベントでの紹介などの機会があるだろう。「最新情報を知らせる機会をつくることが重要になる。上層部に伝えたい時はなおさらだ」とブリオンは語る。