
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
チームに「儀式」を取り入れるメリット
変化や移行の時期において、職場の「儀式」は、圧倒され落胆したチームと、活気と意欲に満ちたチームの違いを生み出す要因になりうる。筆者らは、3年間にわたって共同プロジェクトを実施し、儀式がチームメンバーにより高い意義や献身の意識を芽生えさせる効果について研究してきた。
筆者らは儀式を「チームのメンバーが定期的に実施する、意義のある集団活動」と定義している。筆者らの研究では、ファシリテーターのいる会話(アイスブレークなど)、チームの定例会(チェックイン、進捗報告など)、振り返り、新入社員研修など、さまざまな儀式を研究し、実施した。60カ国929人を対象に調査を行い、さらに、ある広告会社のUAE、サウジアラビア、レバノンに在勤する従業員50人で儀式を実施するための実地調査を行った。
調査結果を分類するために、筆者らは儀式の数とその頻度の両方を考慮した指標を用いた。その結果、チームが定期的に行っている儀式が多いほど、メンバーのエンゲージメントが高まっていた。儀式の多さが上位3分の1に入るチームでは、儀式の少ないチームと比較して、チームの目的へのコミットメントが23%、心理的安全性が20%、チームメンバー間の相互理解が28%、仕事への満足度が22%高かった。
儀式の利点は明らかであるにもかかわらず、筆者らの調査と実務経験によると、多くのリーダーやチームは、それを導入したり継続して実践したりすることができていない。実地調査の開始時、ある参加者は、他の参加者の気持ちを代弁するように、自分のチームが「非生産的な状態の悪循環から抜け出せず、チームの運営方法やコミュニケーションの取り方に悩んでいる」と述べた。
効果的な儀式を設計し、実践するために、以下の5つの施策を提案する。
1. 信念を持って導く
リーダーは、儀式がチームのためになると確信を持つ必要がある。リーダーの関与がなければ、儀式は定着しにくい。