「つくれば売れる」時代には、顧客を重視しようという発想は生まれてこない。このような時代に顧客に目を向けることの重要性を説き、企業にマーケティングの考えを根づかせたパイオニアが、本特集のセオドア・レビットであり、フィリップ・コトラーである。両者の考えには隔たりもあり、かつて論争も繰り広げられたが、マーケティング理論に礎を築いたという点で二大巨頭と呼べるだろう。レビット・マーケティング論の今日的意義について、コトラーが解説する。