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最も休憩が必要な時は、休憩を取れる可能性が最も低い
あなたは、チームメンバーを解雇したり、緊迫したミーティングで厳しいフィードバックをしたり、成績トップ従業員の辞職を受け入れたりしながら1日を終えた。危機というわけではない。いつもの火曜日だ。
こうした瞬間は、感情的に疲弊するものだ。それらをすべて合わせると(しかも業績へのプレッシャーや職場における規範の変化、そして危機や世界的な混乱の中でチームを指導する感情労働を強いられるという背景と相まって)、静かに山のように積み重なっていく。
最近発表されたギャラップのデータは、こうした疲弊を反映している。2024年、世界の従業員エンゲージメントは低下した。これは過去10年あまりで2回目となる。ただ、1回目の2020年のエンゲージメント低下とは異なり、今回の低下を牽引したのは現場の従業員ではなく、マネジャーだった。メンタルヘルス改善アプリの米モダンヘルスが2025年3月に実施した調査によると、マネジャーの77%が、自分の役割がこれまでになく困難になったと考えていた。
当然ながら、リーダーは困難な時期に、チームを管理することに注力する。周囲の期待と、純粋にチームに寄り添いたいという気持ちから、彼らの注意力とエネルギーは自分の外に向けられる。すなわちチームを導き、安定させ、その要請に応えようとする。だが、この外向きの視点と、結果を出さなくてはという絶え間ないプレッシャーゆえに、リーダーは自分の感情的な経験を処理するという、決定的に重要なステップを見落としがちだ。頑張り続けることが、効率的に感じられる。それどころか、膨大な時間を取られるものの、何とか生き残るためには、頑張り続けることが唯一の選択肢だとさえ感じられる。事実、仕事のまっただなかで、自分の感情を処理するのはほぼ不可能に感じられる。だが、時間が経つにつれて、立ち止まって自分の感情面での経験を処理せずに、力任せに困難な状況を乗り切ろうとすると、健康面でも、リーダーとしての有効性においても、そして人間関係でも、大きな代償を払うことになりかねない。
感情的な疲弊は、現代のリーダーシップの現実的かつ重大な負担だ。リカバリーはもはや贅沢ではなく、リーダーシップに必要不可欠なものであり、自分のウェルビーイングを守り、長期にわたりリーダーシップを維持するために決定的に重要なものである。困難な出来事や期間を経験した後は、次に紹介する3つのプラクティスにより、感情を整理し、エネルギーを充電しよう。
振り返る:ただ先に進むのではなく、意味を見出す
困難な時期を思い出すのは望ましくないと思うかもしれないが、時間をつくってそれについて深く考えることは、前進するためのカギとなる。自分の感情を無視したり押し殺したりすると、その感情は消えるどころか、見えないところで蓄積し、後でストレスや反動、健康問題となって表面化する。振り返りは、私たちが経験したことを処理し、代謝して、引きずらないようにするのを助けてくれる。
困難な出来事や1日の後、数分で構わないので、時間をつくって自問してみよう。