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効果的なチーム学習ができているか
会社のイノベーションへの取り組みが停滞していると感じたことはないだろうか。それは努力不足が原因ではなく、プロセスのどこかに違和感があるからではないか。イノベーションに学習が不可欠であることは、多くのリーダーが理解している。しかし、顧客へのインタビュー、アイデアのブレインストーミング、アフターアクションレビュー(事後検討会)など、チームは多くの学習活動を行っているにもかかわらず、それらの相互関係が不明確であるため、混乱を招き、イノベーションを損ねている。
筆者らは160以上のチームを対象とした調査を通して、イノベーションの成功は、チームがどれだけ学習するかだけでなく、いつ、どのような順序で特定の学習形態に取り組むかにかかっていることを明らかにした。音楽がリズムとハーモニーによって成り立っているように、効果的なチーム学習には、構造化され、調和のとれた順序づけが必要だ。
チームが取り組むべき4つの学習方法
イノベーションは偶然の産物ではない。筆者らの研究では、パフォーマンスの高いチームが用いる4つの学習行動に着目し、これらのチーム学習の順序と組み合わせにおけるバリエーションを検証した。これらを組み合わせることで、チームのイノベーションを可能にするツールキットとなる。
1. 実験的学習:チームが意図的にアイデアをテストし、新しい知識を得たり、時にはブレークスルーを生み出したりする過程で、失敗も想定する。ブレインストーミングやプロトタイピングなどが含まれる。
2. 模倣的学習:チームが同じような仕事を経験した他のチームや個人に相談し、同じ失敗や無駄な作業を繰り返さないようにする。
3. 状況的学習:チームメンバーが周囲の環境を観察し、市場の変化、新たなトレンド、競合他社の戦略などを把握する。
4. 内省的学習:チームが戦略の評価、目標の見直し、現在の課題についての議論などを通じて、意図的に自己検討をする。
研究では、イノベーションが停滞する原因として考えられることが明らかになった。それは、チームが両立しない学習活動を間違ったタイミングで組み合わせていることだ。