リーダーが自分の力を示す5つのテクニック
Illustration by Niyi Adeogun
サマリー:優れたリーダーは、その存在感以上に言葉の力で人々を惹きつける。言葉選びや言い回しを習得し、力強さを伝えることは、管理職としての成功を大きく左右する。本稿では、聞き手の心をつかみ、自身に力があることを伝... もっと見るえるための5つの実践的なテクニックを解説する。 閉じる

自分に力があることを伝える話し方

 優れたリーダーは、優れたコミュニケーターであることが多い。ウィンストン・チャーチル英首相、南アフリカの英雄ネルソン・マンデラ、米人気テレビ司会者オプラ・ウィンフリー、そしてアップル創業者のスティーブ・ジョブズを思い浮かべてほしい。だが具体的に、こうした人たちの話し方のどこに人々は惹きつけられるのか。

 筆者は、経営コミュニケーションを教えるとともに、スタートアップ企業のピッチや資金調達を支援してきた経験から、優れたコミュニケーターにとって重要な、しかし見落とされがちな特徴の一つは、その存在感ではなく、力があることを言葉で伝える能力だと気がついた。

 みずからに力があることを伝える言語(言葉の選び方、言い回し、トピック、パターン)をマスターすると、管理職として成功する可能性を劇的に高め、プロジェクトやイニシアティブのリソースを確保し、部下たちの称賛を得ることができる。

 本稿では、みずからの力を伝えることにより、スピーキングをレベルアップさせる5つのテクニックを紹介しよう。

アクションにフォーカスする

 パワフルなリーダーは、重要な決定事項を慎重に検討し、周囲の意見を聞きながらプラス面とマイナス面を比較検討しなければならない。しかし、誰かに物事を伝える時は、アクションに焦点を絞る。

 たとえば、次の2つの声明について考えてみてほしい。

ニュートラル:我々にはいくつか選択肢がある。オプションAを選べば、既存の顧客の評判を確保できるだろう。一方、オプションBを選ぶと、市場シェアを拡大するチャンスがあるかもしれない。