新任CEOが就任直後の100日間で自問すべきこと
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サマリー:新任CEOは就任直後から内外の大きな期待を背負うが、この期間で真に重要なのは、すべての答えを出すことではない。長期的な成功の基盤を築くことだ。そのためには、焦って行動するのではなく、まず正しい問いを立て... もっと見るる必要がある。本稿では、新任リーダーが最初の100日で向き合うべき、リーダーシップチームの構築やビジョン策定といった4つの優先課題と、自問すべき重要な問いを紹介する。 閉じる

新任リーダーは最初の100日で長期的な成功の基盤を構築せよ

 CEOの役割を担うことは、胸が高鳴る経験だ。同時に、実際にその職に就いてみると、組織を率いるという現実の重みが感じられる。従業員、顧客、取締役会メンバー、メディアはみんな、こう問いかけるだろう。「あなたはどのようなリーダーなのか」「何が変わるのか」「あなたの戦略は何か」「組織をどこへ導くのか」と。迅速に行動したいという誘惑に駆られるのも無理はない。

 こうした期待を前に心得ておくべきことがある。就任最初の100日間で重要なのは、すべての答えを出すことではなく、長期的な成功の基盤を築くことである。緊急の意思決定を迫られる場面もあるかもしれないが、この期間は正しい問いを立て、自身の目指す方向とそこに到達する方法を明確にすることに時間を費やすべきだ。

 何百人ものCEOと協働してきた筆者らの経験から、就任最初の100日間の最優先事項として、4つのテーマが浮かび上がってきた。そして、各優先事項に取り組むに当たり、新任リーダーが自問すべき17の重要な問いを特定した。このリストは単なる始まりにすぎない。真の課題は、これらの問いを自分のものとして捉え、自身の答えに責任を持つことだ。

リーダーシップチームを構築する

 筆者らが支援してきた成功しているCEOは、チーム構築に関してありきたりな手法は採らない。彼らは、馴染みのある人物や過去の関係にとらわれず、これから待ち受ける事態に必要な人材を特定する。彼らが求めるのは、売上げやプロジェクトの実行数といった実績だけでなく、真のリーダーシップ能力と資質を持つ候補者だ。

 彼らはまた、新鮮なアイデアをもたらす新しい声や、業界を知り尽くした経験豊富なリーダーなど、意図的に多様な視点を取り入れている。そして、引き継いだリーダーシップチームを公平に評価する一方、会社を前進させるために誰が必要かについて、慎重かつ断固たる決断を下すことに力をそそぐ。その結果、意図を持って築かれたリーダーシップチームが形成される。

 リーダーシップチームを構築する際は、以下の点を自問する。

・単に事業を管理し、指標を追うだけでなく、現場から変革を推進し、チームを指導し、力を与え、高めていくのは誰か。