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企業が最適な情報に基づいて意思決定を下すためには、アナリストや学術研究者、その他による最新の研究成果を常に把握している必要がある。そこで、米国『ハーバード・ビジネス・レビュー』(HBR)編集部は差し迫った課題を検討するため、HBR9-10月号で取り上げられた研究記事の中から、いままさに必要とされるものをいくつか再構成した。本稿には、以下の内容が含まれる。
・なぜ、新CEOは1月に着任するとよいのか。
・優秀なマネジャーは、いなくなってからも業績を向上させている。
・顧客レビューに応答することが有意義な場合とそうでない場合。
・生成AIによる従業員のモチベーション低下を最小限に抑えるには。
・なぜ、マネジャーは職場のトラブルで伝聞情報を重視する傾向があるのか。
一部の要約記事には、さらに深堀りできるように、関連記事のリンクを記した。本稿の最後に3つの短い「話題」を載せた。AIをめぐるCEOの懸念、ショッピングカートと信用リスクの関連性、中間管理職のレイオフに関する研究についてである。これらを次回のミーティングで使用したり、チームと共有して会話の糸口にしたりしてもよいだろう。
[研究の要約]
リーダーシップ
新CEOが1月初めに着任すべき理由
新しいCEOが成功するにはさまざまな方法があるが、あるシンプルな戦術が功を奏することがある。それは1年の最初の週に着任することだ。
これは、2005年から2019年の間にS&P500企業で実施された690件のCEO承継を調査して得られた結果である。この研究では、着任日とカレンダー上の重要な日付(ここでは暦年または会計年度の開始から10日以内)を同期させることが、承継後の会社の業績に影響するかどうかを明らかにしようとした。先行研究から、新リーダーの影響を捉えるには3年を要することがわかっていたので、各CEOの任期の最初の3年間における企業業績を分析することとした。結果に影響する可能性のある交絡因子を取り除くために、CEOの病気や死亡のような不測の事態、リストラクチャリング、合併や買収などによる異動は、サンプルから除外した。この分析から、暦年(または会計年度)の最初の10日間に就任したCEOは、それ以外の時期に就任したCEOと比べて高い業績を上げていることがわかった。
研究者は、着任日を年初にすると、CEOのビジョンと企業の計画や目標設定の自然なサイクルを整合させやすいと指摘する。そうすることで、混乱を最小限に抑え、年度末評価までに測定可能な成果を出さなければならないというCEOと従業員双方の時間的プレッシャーを緩和できる。総合的に見て、こうした要因は企業の業績向上に寄与する。
年初の着任によるプラス効果が特に大きいのは、新CEOが46歳以下、女性、人種的または民族的マイノリティ、アウトサイダー(社外出身者)の場合だった。というのは、非典型的なCEOは戦略的な変革に着手することが多く、従業員がそれを理解して一つにまとまるまでに時間がかかることがあるからだ。
詳細:「新CEO就任のタイミングが業績に与える影響」ディエゴ・ビジャルパンド他
優秀なマネジャーは、いなくなってからも業績を向上させている
有能なマネジャーは、各従業員の固有のスキルを理解し、その強みが最も活かされるタスクやポジションに彼らを割り当てる。そうした能力は従業員の成功と組織の生産性に大きなインパクトを与え、しかもその影響は短期的なものに留まらない。最近の研究では、そのプラス効果は有能なマネジャーが異動した後も長く続くことがわかっている。






