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C&CからE&Eへ
「社内の説得に時間がかかりすぎて、せっかくの案件もライバルに持っていかれた」
「複数の会社でビジネス・コンソーシアムを立ち上げたが、これまで培ってきたやり方が通用しないばかりか、他社の人の足を引っ張っている」
「転職組の連中は、ウチのやり方についてこない」
「社内調整業務に時間を取られて、効率性も生産性も損なわれている」
ビジネス環境は目まぐるしく変化している。予想だにしないニュー・カマー(新規参入者)や新技術の登場、企業グループや系列を飛び越え、ライバルとすら手を結ぶというダイナミックかつオープンな提携、まったく違う価値観を持った人材の流入と優秀な人材の離脱等々……。
C&C(command and control:命令と統制)志向の組織は、その多くが階層構造にあり、一般的に上位下達の指揮命令系統が敷かれ、しかも事業ユニットは一人のシニア・マネジャーの管理範囲(span of control)を超えた大きさだったりする。
その結果、情報の取引コストがかさみ、社内調整や意思決定の遅延によって機会コストが発生することすらある。これでは、リエンジニアリング(ITを活用した生産性の向上)と言っても、残念ながら事業環境の変化にスピーディかつ的確に適応できるとは言い難い。
そのブレークスルーとして、E&E(empower and energize:権限委譲)というコンセプトが提唱されるようになった。そのハード・インフラとして、階層を圧縮したフラット組織(文鎮型組織)やチーム組織(自律分散型組織)、そしてIT(情報技術)が、またソフト・インフラとして、ナレッジ・マネジメントやコーチングがとみに注目されてきた。
新しいスキルの獲得が生命線
マサチューセッツ工科大学教授のレスター・サローが、次のように述べている。



