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あなたの「適応力」をどう語るべきか
成果、功績、強み、チーム形成。たしかに、これらはすべて、上級職の採用面接で重要な要素だ。だが、今日の人材市場で、それ以上に求められているものがある。あなたがリーダーとして絶え間ない変化を切り抜ける能力を持つことの証明だ。適応力は、エグゼクティブに求められるリーダーシップスキルの一つである。あなたがより速く頭角を現し、よりスムーズに新しいポジションに馴染み、破壊や混乱のある未来を乗り切ろうとする取締役会やCEOの信頼を得るために必要な能力だ。
これまであなたは、どのようにして信頼を失わずに、レイオフを乗り切ったか。どのようにして機運を落とさずに、AIをチームのワークフローに組み込んだか。前年に立てた戦略が通用しなくなった時、どのようにして方向転換したか。エグゼクティブ専門リクルーターの目に留まる存在になるためには、適応力の証拠を示す備えをすべきである。そのために必要なのが、あなたが混乱の中でも成長し、成功できることを証明するストーリーだ。本稿では、そうした適応力を示すストーリーを語る方法を紹介したい。
適応力の視野を広げる
リクルーターとの面接では、変化をマネジメントするスキルが必要になる、困難な時期に焦点を合わせ、適応力の目印であるアジリティ、レジリエンス、先見性を、会話全体を通して強調しよう。たとえば、視野を広げてくれた横方向の異動、異文化対応力が求められる海外経験、より迅速な意思決定と幅広い影響力を求められる機能横断的なリーダー職の経験に焦点を当てて、ストーリーを組み立てる。
筆者のクライアントの一人、ジョーン(仮名)はフォーチュン100の小売業者のオペレーション担当上級ディレクターとして、5年間、サプライチェーンのオペレーションを率いていた。同社がデジタルコマースのイノベーションハブを新設した時、彼女は顧客エクスペリエンスデザインの部署への横異動を命じられた。そこは、まったく経験のない領域だった。
最初、ジョーンは居心地のよい古巣を去るのをためらったが、いったん引き受けると、すぐさま顧客調査のデザイン、思考スプリント、分析に全力で集中した。そして、商品管理部門の意思決定のやり方、ユーザーエクスペリエンスが顧客ロイヤルティに与える影響、そしてデジタルチームがオペレーション部門に比べてはるかに動きが速いことなどを学んだ。半年後、彼女は新たに得た視点から、顧客が同社のブランドを見限るのは、配送の遅れではなく注文状況が見えにくいことが原因だと理解した。
ジョーンが2つの機能の知見を橋渡しして、機能横断チームの取り組みを主導した結果、顧客の苦情は37%減り、リピート購入率は22%上昇した。このキャリアの横異動を通して、彼女の学習スピードは加速し、認知的アジリティの証明となる新たなケイパビリティが身についた。それは破壊的混乱のただ中で企業が求めている能力なのだ。
移行、再構築、方向転換と関連づける
適応力は、ある役割において成し遂げたことだけではなく、役割の変化の中にも見て取れるはずだ。採用担当の上級リーダーは、候補者がどのように再構築に取り組み、新しい環境に踏み出し、それまでに蓄積した判断力を、複雑化する課題に適用するのかを、つぶさに見ている。業界や部門、ビジネスモデルの違いを問わず、キャリアの移行は、素早く学習する能力、適切にリスクを取る能力、以前のプレーブックの転用に頼らずに業務を遂行する能力を示している。ここで重要なのは、個々の方向転換の背後にある意図と、その途上で鍛えた適応力という筋肉だ。
筆者自身のキャリアを振り返ると、3つの異なる業界と専門領域で何度かみずからを再構築してきた。テレビのニュースレポーターからエンタテインメント業界の弁護士、テクノロジーおよび医療テクノロジー業界の人事担当ビジネスパートナー、そしてエグゼクティブ、キャリア、チーム各分野のコーチへと転身した。企業の採用面接では、自身の職務についてはほとんど言及しないで、主に次のことを説明した。
・移行のきっかけは何か:移行の背後にある戦略的理由について話し、時系列的な事実関係には必ずしも言及しなかった。
・方向転換において、どのように学習スピードを加速させたか:新しい業界に没入して、ニュースレターを読み、ネットワークを広げ、資格を取得し、入社後は積極的に難易度の高い業務に取り組んだ。





