まず「整理」とは、「要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てること」です。要らないものを捨てることで、例えば、不要なものが通路脇や棚の上から撤去され、つまづく原因となる物、落下する可能性のある物などがなくなり、安全性が向上します。また、不要な物を捨てることで、空きスペースが確保され、物の出し入れの際に物の不要な積み替えがなくなり、作業効率が向上します。さらに、不要な在庫を処分することで、余分な管理・運搬がなくなり、在庫管理コストが削減されたり、キャッシュフローが改善される、あるいは保管スペースが削減されるなどの効果に繋がります。

 次に「清掃」とは、「身の回りのものを常にきれいにして、いつでも使えるように点検しておくこと」です。常にきれいにして点検しておくことで、例えば、床に油やゴミ・切粉が落ちているという状況がなくなり、作業者が滑らずに安全に作業することができるようになります。また、製品や部品に、ほこり・ゴミが付着しないので、品質不良を防止できるという効果もあります。さらに、設備内部の汚い箇所がきれいになり、故障の原因となる異物や摩耗部が目に見えるようになることで、設備のチョコ停・故障などの異常を未然に防止することが可能になり、結果として、品質不良や納期遅れを回避できるといった効果もあります。

 最後に「整頓」とは、「必要なものをすぐに取り出せ、しまえるようにすること」です。すぐに取り出せ、しまえるようにするためには、主に2つのことが必要になります。1つは3定(定置・定品・定量)、つまり決められた場所に決められた物を決められた量だけ置くこと、もう1つは、手元化、つまり使用頻度に応じて必要な部品・治工具・金型などをできるだけ作業者の近くに配置することです。

 例えば、工場内で危険区域が明示されたり、通路が明示されることで、事故・災害を未然に防止することが可能になり、安全性が向上します。また、必要な部品・治工具・金型などが手元化され、その所在地が明確になることで、取り間違いが削減され、品質不良が削減されます。さらに、必要な物がどこにあるか一目で見えるようになるため、「探す」ムダが排除されます。その結果、探す時間が短縮され作業効率が向上したり、探しても見つからなかったので新たに購入してしまうというムダも排除できます