ドラッカー的生き方・働き方を学べる『プロフェッショナルの条件』
サマリー:ドラッカーの著作を読んでみたいけれど、数多ある中からどれを読めばよいのか、迷っている人というも少なくないだろう。そんな方にまずおすすめなのが、ドラッカー著作の大多数を翻訳した上田惇生先生がすべての著作、目次やあらすじ、読みどころを紹介した『P. F. ドラッカー 完全ブックガイド』だ。本連載では、本書の内容を抜粋し、再編集したものを掲載する。今回は、ドラッカー的生き方・働き方を学べる『プロフェッショナルの条件』について紹介する。

『プロフェッショナルの条件』
原題:The Essential Drucker on Individuals(2000)

『プロフェッショナルの条件——いかに成果をあげ、成長するか』(上田惇生編訳、ダイヤモンド社、2000)

【注】「はじめて読むドラッカー」第1巻、自己実現編。入手可。

『プロフェッショナルの条件——いかに成果をあげ、成長するか』(上田惇生編訳、ダイヤモンド社、2000)

主な内容 

 20世紀最大の出来事が人口革命だった。今や働く人のほとんどが知識労働者である。したがって、真に意味ある競争力要因は、知識労働の生産性である。成果をあげ、貢献し、自己実現をしていく方法を明らかにした。

目次

パート1 いま世界に何が起こっているか
 1章 ポスト資本主義社会への転換
 2章 新しい社会の主役は誰か

パート2 働くことの意味が変わった
 1章 生産性をいかにして高めるか
 2章 なぜ成果があがらないのか
 3章 貢献を重視する

パート3 自らをマネジメントする
 1章 私の人生を変えた7つの経験
 2章 自らの強みを知る
 3章 時間を管理する
 4章 もっとも重要なことに集中せよ

パート4 意思決定のための基礎知識
 1章 意思決定の秘訣
 2章 優れたコミュニケーションとは何か
 3章 情報と組織
 4章 仕事としてのリーダーシップ
 5章 人の強みを生かす
 6章 イノベーションの原理と方法

パート5 自己実現への挑戦
 1章 人生をマネジメントする
 2章 “教育ある人間”が社会をつくる
 3章 何によって憶えられたいか

付章 eコマースが意味するもの——IT革命の先に何があるか

大ベストセラーは、ある一つの質問から生まれた

 本書『プロフェッショナルの条件——いかに成果をあげ、成長するか』は、その後『チェンジ・リーダーの条件』『イノベーターの条件』『テクノロジストの条件』と続く「はじめて読むドラッカー」シリーズの1作目にあたります。

 これまでの著作を再編集するという構想は、『非営利組織の経営』の刊行を目指してやりとりしていた1991年頃から温めていたものでした。しかし、10年もの間、ドラッカーも私も多忙のため、取り掛かれずにいました。それが、ある出来事をきっかけに再び動き出すことになったのです。

 1999年、私は2001年4月開学予定の「ものつくり大学」で教鞭を執ることが決まっていました。教員予定者60名を集めて行われた顔合わせの会でのこと、立て続けに3人の方から、同じことを聞かれたのです。「『明日を支配するもの』がとても面白かった。次に何を読んだらいいでしょうか」と。

 こうした質問を受けることはよくありましたが、実は、いつも答えに困っていました。そこで、すぐさまドラッカーと相談して、ドラッカーの世界の地図をつくることにしたのです。これから読もうとしている人、次に何を読むか迷っている人のヒントとなり、かつそれ自体が面白い本をまとめることにしました。

 しかし作業を始めてまもなく、もう一つ扱うべき分野があることに気づきます。それは、一人ひとりの人間に関わる領域でした。とくに進むべき道を模索している若者たちに向けたメッセージがたくさんあったのです。

 こうして“ドラッカー的生き方・働き方読本”としての[自己実現編]が誕生しました。本書『プロフェッショナルの条件』では、若手自身の働き方のみならず、若手を生かす組織やマネジャーの心得についても触れています。

 「成果をあげるためには、強みを中心に据えて異動を行い、昇進させなければならない。人事においては、人の弱みを最小限に抑えるよりも、人の強みを最大限に発揮させなければならない」

 「組織は、一人ひとりの人間に対し、彼らが、その制約や弱みに関わりなく、その強みを通して、ものごとをなし遂げられるよう奉仕しなければならない。このことは今日、ますます重要になっている」

 今世界で起きていることから成果を出すための具体的方法まで、必要な要素が一冊に詰まっているからこそ、本書『プロフェッショナルの条件』は多くの企業で管理職研修や新人マネジャー研修の指定図書に選ばれているのでしょう。

 さて、このシリーズ企画で困ってしまったのは、「他の国で出版するために、あとがきを英語で書いてほしい」とドラッカーに頼まれたことでした。英語で書くとなると、どうにも自信がありません。たとえば「a」「the」といった冠詞の使い分けに関して、私の正解率は3割程度。そう言ってみたものの、ドラッカーは「アメリカ人だって人によって違うのだから、気にするな」と言ってきかないのです。

 こうして、私は初めて英語であとがきを書かされ、書いて送るたびに、「こんなに短いものではダメだ」と何度も突き返されたのでした。

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[著]上田 惇生
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