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プロジェクトが失敗する背景
絶え間なく変化する環境の中で、ビジネスを進化、適応、成長させるのはプロジェクトである。プロジェクトによって戦略が実行され、プロジェクトによってイノベーションが実現する。
これが鮮明になったのが2020年だ。この年、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、世界中で旧来のビジネス手法が覆された。あらゆる地域の組織が、年単位ではなく数日で、デジタルインフラの整備、グローバルサプライチェーンの再構築、新たなサービスの立ち上げを急いだ。
緊急に変革が必要とされる中、それを実行できる唯一の手段がプロジェクトだった。当時は新入社員からCEOに至るまで、自覚の有無はともかく、実質的に全員がプロジェクトリーダーとなった。
ちょうどその頃、筆者は『ハーバード・ビジネス・レビュー』(HBR)論文「プロジェクトエコノミーの到来[注]」で、私たちがビジネスの歴史の転換点に立っていると論じた。企業は伝統的にオペレーションによって(規模、効率、サービスの卓越性に注力することで)価値を生み出してきたが、この時初めて、プロジェクトが価値創出の主な原動力になったのである。
筆者のアイデアは業界を超えて共感を集め、その後の4年間で、多くの企業がこの新たな現実に適応すべく努力し、一部では有望な成果も見られた。
そうした企業は育成するプロジェクトマネジャー(PM)を増やし、センター・オブ・エクセレンス(CoE)やプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)を設置し、中間管理職のスキル向上を図り、ガバナンスを強化した。いまでは、実行の一貫性が高まり、フレームワークの理解が進み、スケジュールがさらに明確になっている。
にもかかわらず、失敗の確率は相変わらず高いままであり、価値創出は一筋縄にはいかない。いったいなぜだろうか。それはピラミッド構造、管理統制、安定性、効率を優先するオペレーション思考でプロジェクトにアプローチする組織が多すぎるからである。その結果、組織は多くのミスを延々と繰り返している。その例を挙げよう。
・あまりにも多くの施策に手を出し、リソースを過度に分散させている。
・アウトプットを価値だと勘違いし、重要なことではなく容易に達成できることを測定している。
・部門横断の完全専任型チームを配置していない。



