ドラッカーが経営者に問う「ミッションを成果に結びつける3つの要素」
サマリー:P. F. ドラッカーはコンサルタントとして、企業、ベンチャー、非営利組織、スポーツチームなどのたくさんのリーダーに本質的な質問を投げかけてきた。書籍『経営者に贈る5つの質問』は、その中で最もシンプルで奥深い「5つの質問」を紹介している。今回は、本書に収録されている5つの質問うち、1つ目の質問として挙げられている「われわれのミッションは何か」について解説する。

ドラッカー5つの質問①:われわれのミッションは何か

・われわれが現在ミッションとしているものは何か。

・われわれが直面している問題は何か。

・われわれにとっての機会は何か。

・われわれが現在ミッションとしているものは見直す必要はないか。

組織の存在理由

 組織はすべて、人と社会をより良いものにするために存在する。 すなわち、組織にはミッションがある。目的があり、存在理由がある。

 アメリカでは非営利組織の数は100万を越える。それぞれがそれぞれのミッションをもっている。いずれも人の生活と人生を変えることを動機とし、成果としている。

 ミッションとは人にかかわるものである。それは心底からのものである。人が正しいと信ずるものである。

 したがってリーダーたる者は、組織のメンバー全員がミッションを理解し、信条とすることを確実にしなければならない。

 何年か前、私たちはある大病院で救急室のミッションを検討した。最初の答えは「健康」だった。だが、間違った定義だった。病院は健康を扱ってはいない。扱っているのは病気である。

 検討の結果得られたミッションが、「患者の安心」だった。そこで現状を調べた。驚いたことに、10人のうち8人は、「朝には直っているでしょう」「お子さんは風邪です。引きつけを起こしましたが、心配することはありません」と言ってやるだけでよかった。救急室のミッションとしては、あまりに簡単だった。

 しかし、そのためには、運び込まれた患者を1分以内に診てやらなければならなかった。 大事なのは直ちに診ることだった。 本人と親を安心させるには、絶対に必要なことだった。

簡潔な言葉でミッションを規定する

 ミッションを規定するものとしてのいわゆるミッション・ステートメントは、Tシャツにプリントできる簡潔なものにしなければならない。それは、何を、なぜ行うかを表すべきものである。いかに行うかを表すものではない。

 ミッションは大きくとらえなければならない。無限大でさえなければならない。しかも、直ちに行動に結びつけられなければならない。「私は貢献している」と皆が言えなければならない。したがって、明確でなければならない。

 人を行動に駆り立てなければならない。全員が、「そうだ。それが私が憶えられたいことだ」と言えなければならない。

 ミッションを成果に結びつけるには、機会と能力と意欲が必要である。ミッション・ステートメントとは、これら3つの要素からなるものである。

 まず、組織の外を見る。組織の内からスタートして、手持ちの資源を投入すべき場所を探すようでは、支離滅裂となるだけである。

 あらゆるものが変わる。ニーズも変わる。だからこそ、すでに起こったものを探さなければならない。機会となり、問題となるものを見つける。

 上げ潮によって上がるだけであるならば、下げ潮によって下がるだけであることを認識する必要がある。未来を予期し、創造していかなければならない。

 もちろん、全能ならざる身の人間としては、完璧を期することはできない。だからこそ、機会を求め続けなければならない。最新の知識、環境の変化、競争の状態、資金的な状況、埋めるべきギャップを知る必要がある。

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ドラッカーがリーダーのために考え抜いた「究極の質問」とは何か
『経営者に贈る5つの質問』

[著]P. F. ドラッカー
[訳]上田 惇生
[内容紹介]コンサルタントとして、企業、ベンチャー、非営利組織、スポーツチームなどのたくさんのリーダーに本質的な質問を投げかけてきたドラッカー。本書では、その中で最もシンプルで奥深い究極の「5つの質問」を紹介。『ビジョナリー・カンパニー』のジム・コリンズ、マーケティングの権威フィリップ・コトラーら著名人の知見に加え、ミレニアル世代のリーダーたちのフレッシュな感性をコラムとしても掲載している。

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