「あなたの顧客は誰か」が、おのずとわかるドラッカーの質問とは
サマリー:P. F. ドラッカーはコンサルタントとして、企業、ベンチャー、非営利組織、スポーツチームなどのたくさんのリーダーに本質的な質問を投げかけてきた。書籍『経営者に贈る5つの質問』は、その中で最もシンプルで奥深い「5つの質問」を紹介している。今回は、本書に収録されている5つの質問うち、2つ目の質問として挙げられている「われわれの顧客は誰か」について解説する。

ドラッカー5つの質問②:われわれの顧客は誰か

・われわれの活動対象としての顧客は誰か。

・われわれのパートナーとしての顧客は誰か。

・われわれの顧客はどのように変わっていくだろうか。

顧客とは何か

 ついこの間まで、非営利組織の世界では、顧客という言葉はほとんど耳にしなかった。「われわれには顧客はいない。顧客とはマーケティングの用語である。われわれがもっているのは顧客ではない。助けるべき相手、受給者、会員、患者、学生である」

 ここで顧客という言葉の定義を行うつもりはない。たんにこうお聞きしたい。「あなたの組織は、誰を満足させたとき成果をあげたと言えるか」

 この質問に答えるならば、その答えが、そのまま顧客は誰かを教える。すなわち、「組織の活動と、その提供するものに価値を見出す人たち」という意味での顧客を定義したことになる。

 組織には二種類の顧客がいる。一方は活動対象としての顧客(プライマリー・カスタマー、主たる顧客)、すなわち組織の活動によって生活と人生を変えられる人たちである。

 組織が成果をあげるには、活動対象としての顧客を絞らなければならない。「われわれの顧客は誰か」という質問に答えなければならない。焦点を絞らなければ、エネルギーは放散し、成果はあがらない。

 もう一方は、パートナーとしての顧客(サポーティング・カスタマー、支援者たる顧客)である。ボランティア、有給スタッフ、寄付者、委託先など、やはり組織の活動によって満足させるべき人たちである。

 彼らパートナーとしての顧客は、組織が提供するものにノーと言える人たち、つまり組織の活動とのかかわりを拒むことのできる人たちである。彼らこそ、組織が意義ある奉仕の機会を与え、その寄付を成果に結びつけ、その活動をコミュニティのニーズに応えさせることによって、満足させるべき人たちである。

 活動対象としての顧客だけが顧客ではない。パートナーとしての顧客が満足しなければ成果をあげることはできない。そこで、パートナーとしての顧客を活動対象としての顧客と並置したくなる。しかし、組織が成果をあげるには、その焦点はあくまでも活動対象としての顧客に絞らなければならない。

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ドラッカーがリーダーのために考え抜いた「究極の質問」とは何か
『経営者に贈る5つの質問』

[著]P. F. ドラッカー
[訳]上田 惇生
[内容紹介]コンサルタントとして、企業、ベンチャー、非営利組織、スポーツチームなどのたくさんのリーダーに本質的な質問を投げかけてきたドラッカー。本書では、その中で最もシンプルで奥深い究極の「5つの質問」を紹介。『ビジョナリー・カンパニー』のジム・コリンズ、マーケティングの権威フィリップ・コトラーら著名人の知見に加え、ミレニアル世代のリーダーたちのフレッシュな感性をコラムとしても掲載している。

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