ドラッカーが厳に禁じる「顧客にとっての価値」を想像すること
サマリー:P. F. ドラッカーはコンサルタントとして、企業、ベンチャー、非営利組織、スポーツチームなどのたくさんのリーダーに本質的な質問を投げかけてきた。書籍『経営者に贈る5つの質問』は、その中で最もシンプルで奥深い「5つの質問」を紹介している。今回は、本書に収録されている5つの質問の中でもドラッカーが際立って重要だと語る、3つ目の質問「顧客にとっての価値は何か」について解説する。

ドラッカー5つの質問③:顧客にとっての価値は何か

・活動対象としての顧客にとっての価値は何か。

・パートナーとしての顧客にとっての価値は何か。

・顧客に学ぶべきことは何か。

・どのようにして顧客に学ぶか。

顧客は何をもって価値とするか

 顧客は何をもって価値とするか、何が彼らのニーズ、欲求、期待を満たすかとの問いは、実はあまりに複雑であって、顧客本人にしか答えられない。

 ここで原則は、顧客はみな正しいとすることである。ほとんど例外なく、彼らの行動は合理的である。したがって、答えを想像してはならない。必ず、顧客から直接答えを得なければならない。

 私自身ずっとこれを行っている。毎年、10年前の卒業生50人から60人に電話をし、「振り返ってみて、この大学院はあなたに何を貢献したか。今でも役に立っていることは何か。私たちはどうしたら改善できると思うか。私たちが止めるべきことは何か」と聞くことにしている。

 実のところ、こうして私が得た情報は、大学院の運営に非常に役立っている。「顧客にとっての価値は何か」という質問こそ、「5つの質問」のなかでも際立って重要である。

 しかしこれは、実は最も考えられることのない質問である。しかも、ほとんどの組織が、顧客に成り代わって自ら答えようとする。そして「顧客が価値ありとするものは、プログラムの質である」、あるいは「人間味である」と言う。

 組織の多くは、あまりにミッションにコミットし、あまりに自信をもっているがゆえに、ややもすれば自らを目的視する。官僚的思考の極みと言うべきである。その結果、「顧客に価値を提供しているか」ではなく、「規則に合っているか」を考える。こうして成果をあげるどころか、ビジョンも献身も雲散霧消させている。

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ドラッカーがリーダーのために考え抜いた「究極の質問」とは何か
『経営者に贈る5つの質問』

[著]P. F. ドラッカー
[訳]上田 惇生
[内容紹介]コンサルタントとして、企業、ベンチャー、非営利組織、スポーツチームなどのたくさんのリーダーに本質的な質問を投げかけてきたドラッカー。本書では、その中で最もシンプルで奥深い究極の「5つの質問」を紹介。『ビジョナリー・カンパニー』のジム・コリンズ、マーケティングの権威フィリップ・コトラーら著名人の知見に加え、ミレニアル世代のリーダーたちのフレッシュな感性をコラムとしても掲載している。

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