ビジネス基礎力を測るクイズ:「戦略」と「戦術」の違いは何か」
(イラストはイメージ/iStock IR_Stone)
サマリー:「戦略」と「戦術」の違いについて、あなたは明確に説明できるだろうか——。ビジネスパーソンがMBAのエッセンスを手軽に学べる本として人気を博し、発売から約30年で累計発行部数47万部を超えるロングセラー書籍『グロービスMBA マネジメント・ブック』。近年の情勢を踏まえて18年ぶりに全体の40%以上を修正・加筆した改訂4版が登場した。それを記念して、内容の一部を本連載でご紹介していく。今回は、冒頭で挙げた「戦略」と「戦術」の違いについてである。

「戦略」の定義とは

 戦略にはさまざまな定義がある。代表的なものは以下だ。

 ・「戦略とは、他社とは異なる活動を選択し、独自の価値を提供することで持続的な競争優位を確立することである」(マイケル・ポーター)
・「戦略とは、企業が保有する資源と能力を用いて、競合他社に対して持続的な競争優位を獲得するための行動である」(ジェイ・バーニー)
 ・「戦略とは、環境の不確実性の中で、限られた経営資源を最も効果的に配分し、組織の生き残りと成長を図るための総合的な方策である」(加護野忠男)

 視点は多少異なるが、概ねエッセンスは共通している。本書ではこうした定義も勘案したうえで、戦略(特に事業戦略≒競争戦略)を「企業あるいは事業の目的を達成するために、持続的な競争優位を確立すべく構造化されたアクションプラン(施策群)」と定義する。

 つまり一過性の施策が当たっただけ、あるいは属人的なノウハウなどは戦略とは呼べず、構造的なアクションプランや施策群があってこそ戦略といえるのだ。明確な経営戦略を打ち出すことは、成功する企業になるための条件の一つである。企業が保有する経営資源には限りがあり、選択と集中について考えなくてはならないからだ。

 経営戦略を策定することにより、何を行い、何を行わないか、どのような強みを磨いていくのかが明らかになる。さらに、企業としての方向性を明確に示すことで、内外関係者の共感を得たり、従業員の能力を十分に引き出したりすることが可能になる。

戦術とは何か

 戦略と似た言葉に「戦術(Tactics)」がある。こちらも戦略と同様に、もとは戦争の言葉であり、それがビジネスに転用されたものだ。その差異は以下のようになる。

 まず戦略は大局的な視野や考え方を重視した、大きな方針のことである。それに対して戦術は、局地戦の意味合いが強く、より現場レベルに近いところでいかに競合に勝つかを考えるものである。戦略はまた、時間軸も長いことが多い。変化の速い一部の業界を除けば、一般的には数年の時間軸で考える。それに対して戦術は、時間軸も短く、時には週次や日時単位で変更することもある。

 ビジネスで競合に勝つためにはもちろん両方とも大切だが、おおもとの戦略が不適切では、どれだけ現場が頑張っても長期的には勝つことができず、経営資源を浪費してしまう。現場で勝てる戦術を立て実行することも大事だが、その上に位置する戦略をしっかり構築することがまずは必要である。

 

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