売上げと利益を伸ばす唯一の現実的な方法は、革新的な製品やサービスを創造することだ。その製品やサービスは、「不可欠なもの」で、競合など関係なくなるような新たなカテゴリーやサブカテゴリーを築くものでなければならない。この際に目標とすべきなのは、そうした製品やサービスを成功させることだけでなく、競合の参入を防ぎ顧客の選択肢のひとつとなるのを阻むことである。

 何年も、あるいは何十年もほぼ競合がいない企業は、こうした障壁を築いている。以下に、真の障壁を築くための12の方法を示す。うち最後の6つはブランドが関係するものだ。ほかにも例があれば教えてもらいたい。

1. 独自の技術:元P&G の〈プリングルス〉、プリウスの〈ハイブリッドシナジードライブ〉、ドライヤーズの〈スロー・チャーンド・アイスクリーム〉は、どれも簡単には真似できない技術が使われている。

2. 継続的なイノベーション:動く標的となること。アップルの〈iPod〉は〈nano〉、〈shuffle〉、〈iTouch〉などのシリーズを続けて発売してこれを実現した。ジレットはかみそりで、〈トラックⅡ〉から〈フュージョン・ブログライド〉までの製品を出していった。クライスラーは18年間、同社が創造したミニバンの分野で大きな競合がいない状態だった。その一因は、クライスラーがスライド・ドアや回転するシート、取り外しできる後部座席などのイノベーションを行ってきたことにある。

3. 規模:イケアやスターバックス、イーベイ、アップルの〈iPod〉は、どれも規模の経済を実現している。多くは先発者としての立場を活用したもので、それにより持続的な競争優位を手にしている。

4. 投資:CNNやESPN、キリンの〈一番搾り〉などのブランドを長年守ってきたのは、大規模な投資である。

5. 事業の実施方法:ザッポスは、「ワォ!」(驚きや喜び)の提供、おかしなことを称賛する文化、顧客に尋ねられればその時間に開いているピザ店まで教える24時間営業のコールセンターなどにより、高い障壁を築いている。