アマゾン・ドットコムなど一部先端企業の取り組みを受け、ビッグデータに対する期待は日に日に高まっている。
今度こそデータは打ち出の小槌となるか──そうにわかに色めき立つ企業に対し、情報文化と情報技術を長らく研究してきた松岡正剛氏は、「とうてい慢心してはいられない」と言う。
良質なビッグデータの解読には、かなり高度な編集技能が要請されるからである。しかるべき意味の束を見つけなければ、どんなデータからも価値を創出することはできない。
本稿では、7つの編集技能を示しつつ、ビッグデータに潜む「欲望とその解決のための物語」をいかに取り出せるようにするか、いかに物語として解釈できるようにするのかを説く。