●ゲーミフィケーションの手法を用いて、支援者を関与させる
ゲーミフィケーションの技術は、ウェブ上で人々を巻き込む手法としてとても効果的だが、カスタマー・アドボカシーの取り組みに活用され始めたのは最近のことである。それでも、すでに大きな成長を遂げている。急進的で急成長中のB2Bテクノロジー企業の一部、たとえばイグザクトリー(Xactly)やエロクア、デルKACE、ブレインシャーク、エクトロンなどは、ゲームをベースにした「支援者動員」プログラムを用いている。
●アドボカシーを活用して、需要創造を強化する
マーケティングにおいて軽視されていた需要創造は、インターネットの台頭によって数十億ドル規模の産業へと変わった。需要創造業界が現在直面する課題のひとつは、買い手を引きつけて購入に向かわせるための、魅力的なコンテンツを継続的に開発していくことである。もうひとつの課題は、買い手が「購入への道筋」におけるどの段階にいるか、またその具体的なニーズは何かを探り当てることだ。エロクアなどのソフトは、買い手が読みたい、見たいと望むコンテンツ、さらには話したいと望む人物さえ特定する。特定先は、現在の顧客である場合が多い。
●アドボカシー・プログラムを管理する
カスタマー・アドボカシーに馴染みのない企業は、ある時突然そのアイデアの素晴らしさを知ることになり、その必要性を認識する。しかし実行は予想以上に難しく、時間もコストもかかる。しっかり取り組みたいのならば、2~3人のインターンに表計算ソフトでやらせるだけではだめだ。アドボカシー・プログラムに何年も取り組んでいる企業はこのことを理解しており、さまざまなアプリケーションを活用してプログラムを管理し、結果の追跡という最重要の作業もしっかり行っている。
多くの企業が、世界と交流するための基本ツールは自社のウェブサイトだけだと考えている。現実には、企業サイトの多くは完成度が低い。多すぎる要素が場所を奪い合い、顧客と買い手の体験を考慮していない。私が思うに、顧客の推薦の言葉や体験談以外のものはすべて、ウェブサイト上に存続させるべきかを再考する必要がある。残念なことに、ほとんどの企業は、顧客の見解や声をサイトにどう反映しどの程度のスペースを割くか、まともに考えていない。
顧客のエンゲージメントとアドボカシーを基盤にしてウェブ上での存在感を築きたい企業にとって、フェイスブックこそ格好の代替手段ではないだろうか。
HBR.ORG原文:Solving Facebook's Customer Advocacy Challenge, and Yours June 21, 2012