ブルー・オーシャン創造の恩恵

 筆者たちは、ブルー・オーシャンを切り開くと売上高、利益の成長度合いにどれだけ貢献があるかを数値で把握しようとして、108社の新規事業立ち上げについて調査を行った(図表1-1を参照)。その結果、新規事業の86%は製品ラインの拡張、つまり、既存の市場空間というレッド・オーシャンでの小さな改善だということが判明した。ところが、こうした取組みの成果は全売上高の62%、全利益の39%を占めるにすぎない。新規事業の14%はブルー・オーシャンを生み出すことをねらいとし、全売上高の38%、全利益の61%をたたき出していた。新規事業には、その後の売上高や利益への貢献度にかかわらず、失敗したものも含んでいる点を考え合わせると、ブルー・オーシャンを生み出せば業績がどれだけ上向くか、明らかだろう。レッド・オーシャン、ブルー・オーシャンそれぞれの成功確率についてはデータがないが、成果全体を見れば両者の開きは歴然としている。