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どの広告がどのような効果を出しているか
我々の顧客のある大手家電メーカーは、長い間、広告の効果を個別の媒体ごとに評価していた。つまり、ほとんどの企業も相変わらず行っているが、テレビ、印刷媒体、ラジオ、オンラインで打った広告が、個々にどう働いて売上げを促進するかを測定していたのだ。このメーカーは広告の相互作用がますます高まっているという考えを飲み込めていなかった。
たとえば、テレビのスポット広告を見たのを機にグーグル検索を行い、そこにあるディスプレー広告をクリックし、それが結局、売上げにつながるなどということがありうる。先頃このメーカーは、自社の広告がメディアをまたぎ、販売チャネルを横断して総合的にどう機能しているかを解析するために、高度なデータ・アナリティックスの新しいテクニックを採用した。
たとえばある新製品のキャンペーンにおいて、テレビ広告費は予算全体の85%を占めたのに対し、わずか6%を費やしただけの〈ユーチューブ〉の広告が、最終的に購入までに至るオンライン検索を生み出す効果で、テレビ広告の2倍近いということがわかった。さらに検索連動型広告は、同社の総広告予算のわずか4%ながら、全売上げの25%を創出していたこともわかった。この有意義な分析結果と最新の予測分析手法を武器に広告予算の配分を見直した結果、広告費を一銭も増やさずに9%の売上増加を実現することができたのである。