好評頂いたジム・ステンゲル氏のインタビューも今回が最終回です。前回に引き続きビッグデータの利用から、アイデアの大切さまで。日本企業への示唆にも富んだ内容です。
Jim Stengel Company代表取締役CEOのジム・ステンゲルへのインタビュー最終回。ビッグデータ利用の今後の方向性から、日本のマーケティング業界に対しての提言まで、示唆に富んだ内容だ。
ツイッターでテレビの視聴率を上げる
川名:ビッグデータとアイデアの関係に対して、ビッグデータに×(かける)か、+(足す)かで、ビッグアイデア=big growth(ビッグ・グロウス)になると、エフェクティブブランズの会長がカンヌで語っていましたね。
ステンゲル:ビッグデータをうまく使っている企業のほうが早く成長している可能性があると言っていましたね。
川名:ただ、ビッグデータはあくまでデータなので、マーケティングに結びつけるにはアイデアを次々と生み出さなければならないと思いますが、どうですか?
ステンゲル:そのとおりだと思います。
川名:昨年まではビッグデータの分析面が主に語られていましたが、今年はビッグデータをどう使っていくのか、そしてクリエイティビティがないと成長につながらないといった話が上がってきて、1歩進化したのではないでしょうか。
ステンゲル:カンヌでツイッターのプレゼンテーションはご覧になりましたか?
川名:はい、講演したデブ・ロイとは直接話しましたし、ad:tech東京というイベントへの参加も呼びかけました。
ステンゲル:彼はツイッターがどうやってテレビの視聴率を上げることができるのかを説明しましたが、とても素晴らしい説明の仕方でしたね。ビッグデータがクリエイティビティを拡大するいい例でした。
川名:テレビを見ている途中でつぶやくと、そのつぶやきを見た人もテレビを見たくなると。スポーツチャンネルのESPNは、バスケットの1クォーターが終わったところでまとめのビデオを投稿し、ビデオを見た人が今度はテレビをつけるという例もありました。即時に視聴者を取り込むだけでなく、ビデオオンデマンドで数日後に視聴する人たちも含めてリーチが広がるということを、とても分かりやすく、ビジュアル化して説明していましたね。