ハリケーンの到来で、旅行の日程は変更に次ぐ変更となり、そのたびに予約手数料を取られてしまう。おまけに、電話回線はパンク状態でちっともつながらない。怒り心頭でツイッターにつぶやいたところ、奇跡のような展開が起きた――。ベイン・アンド・カンパニーの好評連載、第5回。


 私も周りの人々と同じように、頻繁に旅行をする。自分の講演で、最近友人に「この会社はやめた方がいい」と話した事例について聴衆に聞くことがあるが、航空会社がひどい事例(ホラーストーリー)として挙げられることが多い。

 私もホラーストーリーを体験したことがある。だが、ハリケーン・アイリーンが東海岸に近づいていた時、ホラーストーリーというよりもラブストーリーとも言えるような出来事に遭遇した。

 多くの旅行客がそうであるように、私の計画――家族と大西洋でクルージング――はハリケーン・アイリーンによって大きく狂ってしまった。船旅会社は、嵐を避けるために当初はアイリーンを追い越し、一日早く港に到着するとしていた。それは、クルージングに出る前に家族全員の帰りの飛行機の予約変更が必要であることを意味したため、私は当然のこととしてオンラインで予約変更手数料を支払った上で4人分の航空券を再手配した。

 そして思いがけない展開が訪れた。我々が海に出ようとしていたその時、船長から結局嵐を追い越して行くことができなかったとの説明があった。その代わり、予定より1日遅く港に着くことになるというのだ。私はまた予約を変更しなければならない。だが、そうすれば私が当初航空券に費やした合計費用よりも高くなってしまう。航空会社に電話しようと思った。

 残念ながら、ジェットブルーの予約回線は、待ち時間25分であった。携帯電話のローミング費用が予約変更手数料よりも高くなってたまるかと思い、電話を切った。ばかばかしい予約変更手数料を支払わなくて済むように旅程を変更するためには、他にどのような選択肢があるだろうか?

 私は、多くの顧客がするように、苛立ちをツイッターに投稿した。「嵐の中、旅行先からどのようにして帰れば良いのか分からず困っている。@JetBlueの電話回線は25分以上の待ち状態」。私はただ憤りを発散していた――ハリケーン・アイリーンがこの問題を引き起こしたのであり、ジェットブルーのせいではない――そして返信など求めていなかった。

 だが、ジェットブルーは返信してくれたのだ! 彼らは私の電話番号を送るように言ってきた。10分後、キャシーという非常に手際が良く助けになる担当者が私のフライト変更のために電話をかけてきてくれた。我々のフライトを変更してくれただけではなく、変更手数料を発生させることなくやってくれた! そして迅速に。

 さらに、彼女はこの素敵な経験を卓越したものに変えた。「マーキー様、あなたが昨日行なった予約変更手数料を返金してもよろしいでしょうか? 費用を支払うために利用したクレジットカードへの返金でよいでしょうか?」。私はその話題を出していなかったし、そうしてもらうつもりもなかった。