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プロジェクトの成功には権力がつきものである
1997年、MBAと医師免許を合わせ持つローラ・エッサーマンは、サンフランシスコにあるカリフォルニア大学のキャロル・フラン・バック乳がんセンターの長に就任した。
彼女には壮大な計画があった──センターのみならず、医学界全体のためになることだ。すべての治療を1カ所でまとめて受けられるような魅力ある場所を提供することによって、センターの知名度と、処置する患者数を同時に上げることが彼女の目標だった。
そうなれば、患者は必要な検査や治療を受けるためにあちこちを回ることもない。検査結果を数日間先延ばしにされ、不安な気持ちを我慢することもなくなる。疑わしいしこりがある女性は、午前中に来院すればその日のうちに治療プランを手にできる。総合的な乳がん治療の進歩を促すため、エッサーマンは、臨床試験への患者の登録を簡略化・迅速化し、多くのサイトから治療結果に関するデータを取り込める情報科学システムを構築したかった。